「郵便貯金銀行」の初代頭取は誰か?

郵政民営化によってできる持ち株会社日本郵政株式会社」の初代社長に、西川善文(にしかわ・よしふみ)前三井住友銀行頭取が内定しました。

今日(2005年11月12日)の新聞各紙朝刊で報じられていますが、私が注目したのは、「この人事がどのように決まったのか」という点です。例えば、読売新聞の3面では、次のように書かれています。

 「首相・竹中サイド」と旧郵政省側との確執もあった。総務省の旧郵政省系幹部らは10月末、別の民間企業経営者を起用する人事案をまとめ、政府・与党内の根回しに入ったものの、察知した首相官邸側にストップをかけられたとされる。

 竹中氏は総務相就任直後、同省幹部に対し、「そんな話はきいていない」と白紙撤回させたという。竹中氏周辺は「旧郵政省幹部らは、内閣改造のゴタゴタに紛れて、自分たちに近い人物をトップに押し込もうとした」とみる。

 結局、竹中氏は部下である総務省幹部にも全く知らせないまま人事を進めた。


一読すれば、「竹中大臣は、やるなあ」という好意的な感想を持たれると思います。私も、一瞬はそう思いました。


しかし、すぐに、気づきました。これは、「金融利権」の本丸である郵便貯金銀行」の初代頭取の人事への準備であることを。


郵便貯金銀行の親会社である日本郵政株式会社の初代社長の人事に、小泉・竹中ラインの意向が強く反映されたということは、当然、郵便貯金銀行の初代頭取は、小泉・竹中・西川ラインで決まるということです。

「金融利権」は間接的な利権ですので、関係は緩やかでいいのです。読売新聞の記事の中の表現を借りれば、「小泉・竹中ラインは、「自分たちに近い人物」を郵便貯金銀行の初代頭取に据える準備を始めた」というところでしょうか。