(1)談合と品質


私は、政治の役割は、大きく分けて、
1.公正公平な市場を作ること
2.市場では解決できない問題について解決する仕組みを作ること
の2つだと思います。


今、談合規制について問題になっています。政府が、入札制度の改革を行ってきているので、入札価格が予定価格の60%というようなケースも出てきています。

そこで、懸念されているのが、工事の品質が低下するということです。だから、「やはり談合は必要悪なのではないか」と言われています。


私は、談合=不透明な形で、品質の確保をしようという発想は、理解を得られない時代に入っていると思います。

そこで、「公正公平な市場」を作るためのルールとして何がいいのか、という視点が出てきます。


一つの方法は、「国家資格」によりコントロールしようとする方法があります。しかし、この方法では、耐震強度偽装のときの一級建築士制度に見られるように、悪いことをする人間をゼロにはできないので、後手後手に回ってしまうというデメリットがあります。

もう一つの方法は、保険という手段を使うという方法があります。工事について、品質を保証する損害保険会社をかませて、損害保険会社の保険契約と一緒に入札をしてもらうという仕組みです。そのためには、損害保険会社同士の再保険の仕組みも同時に考える必要があるでしょうが、この方向でやれば、市場に品質の確保を任せることができます。


民主党は、この考え方で法案を提出しましたが、業界の反対もあり、形にはなりませんでした。政府には、入札改革を後戻りさせないようにして欲しいと思います。