(5)請負たたき禁止法案


格差論で見過ごされている視点が、「請負」の形で安く「労働」を買いたたく大企業のあり方です。


先日、運転代行をしてもらって帰路に就きました。その方は、昼間、自営の仕事をなさっているということ。「自営といっても、営業の請負なんですけどね。」

つまり、社員として営業を雇うと固定費がかかるので、「一件いくら」というように、完全な成功報酬・歩合制で請負の形で発注を出す。そうすると、企業としては、売れた分だけに費用を払えばいいので、コストをかけずに営業ができる。しかし、売れなかった場合のリスクは労働者側に負わすという構造になっている訳です。


また、今日は、写真を撮っていただくため、写真館へ行って参りました。そこでも同じようなことが言われていました。

今までは、写真家やデザイナーに一件いくらという形で仕事が来ていたのに、今は、大企業の印刷会社が安い値段で一括して仕事を請け負い、安い値段で若い未成熟な若者に仕事を出す。

デジタル化で、誰でも一応のものはできるようになった。しかし、確実に写真の質も、デザインの質も落ちてきている。


二つの具体体から見えてくるのは、安さのみを追求して生活の質をどんどん落として行っている日本社会の縮小均衡です。

具体的にどうすればいいのかは、まだ私にも思いつきませんが、「請負たたき禁止法案」とでも呼ぶべき法案を作り、成立に向けて努力しなくてはならないという思いがしています。


御意見を賜れば幸いです。
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