14人のリスト


その両院議員懇談会の部屋を出た私に、ある記者が「今日の読売新聞にあった、「14人のリスト」って本当にあるのですか?」と聞いてきました。読売新聞のその記事について印象がなかった私は「それって何の話?」と聞き返しました。

すると、小沢代表が民主党を出る場合には、14人しか確保できず、キャスティングボードを握れる17人には届かないという趣旨の記事だったと言う。


それに対しては、「よく17人という話が、まことしやかに流れていますが、参議院議員というものは、衆議院議員と違って、より離党しにくいでしょ? 具体的に、選挙区事情などを分析すれば、10人も難しいということが分かるでしょう。」と答え、解説をしました。

この点については、根拠もなく各新聞が「17人」ということを書いていますので、あらためてここでも書いておくことにします。


比例区議員は、自分の支持母体と相談して了解してもらってからでないと離党はできない。また、民主党を離党した場合には、小政党では過去自分の取った得票では、次の選挙では当選できない可能性が高い。

選挙区議員でも、二人区の議員の場合には、自民・民主の1・1で分けているわけだから、民主党にいればほぼ確実に再選できるのが、離党すれば次の選挙では必ず民主党は対立候補を立て、自分の議席を失うことになる。

そして、一人区の議員(や三人区の複数当選の議員)の場合には、自分の当選可能性は立候補を決意する時点では(まだ年金問題が焦点になっていなかったので)高くなかったのにもかかわらず、「反自民」「自民党に代わりうる政党を作る」という指向性から候補者になっていることから、自民党と手を結ぶために作る小政党に移ることは考えにくい。


このように、参議院議員一人ひとりの選挙区事情を分析すれば、「17人」なんてことはほぼ不可能だということはハッキリ分かります。


私は、「私には話は来ていませんし、私が入っていない17人ってどんなリストなんでしょう?」と笑って話してきましたが、このように考えれば、小沢さんが参議院議員を引き連れて離党するということは、はじめから可能性はなかったのです。


マスコミには、情報源の秘匿という国民の「知る権利」に答える報道機関としての権利があるので、私の方から、「情報源を明らかにせよ」と言うことはできませんが、本当にきちんと取材して報道しているのかについては、疑問に感じています。

このような話を聞いた記者も、「つまり、無理ってことですね。」と納得してくれていました。