1000人のみの救済案


薬害肝炎訴訟の原告団を救済する法案が、昨日、衆議院に提出され、本日、衆議院厚生労働委員会と本会議を通過しました。

参議院では、明後日1月10日に審議され、採決される予定です。1月11日に参議院の本会議が開かれれば、可決・成立される見込みです。


原告の皆様(+原告と同様の条件を備えた、まだ提訴をしていない人たち)の救済を考えれば、民主党も、法案に反対するところまでは行きませんが、実は、今回の与党案では、約1000人の方しか救済されません。


例えば、血友病などの先天性の傷病を持っていて、血液製剤を投与された人は、同じ薬害の被害者であるにもかかわらず、救済の対象外となりました。この点について、民主党衆議院で後天性の傷病に限っている部分の修正を求めましたが、与党から拒絶されました。その数、約2000人。

また、カルテが残っている人というのは、たまたまかかった病院に恵まれていたというだけで、20年も経っていれば、カルテの保存義務期間5年をとっくに過ぎており、大半の被害者は、証明されないで救済の対象外になります。その数、約1万人。


何よりも、原因不明でB型・C型肝炎にかかってしまった人は、合計350万人いらっしゃいます。原因不明といっても、おそらくは、集団予防接種や治療の時に使われた輸血や血液製剤が原因です。治療費の助成が必要です。早期に治療に当っていただくことで、将来、肝硬変・肝ガンになったときの高額な治療費を予防することができます。

民主党は、肝炎患者の皆様がインターフェロン治療などを受けても、自己負担が少なくて済む法案をすでに提出しています。この民主党議員立法提出を受ける形で、政府与党は、今年4月から、助成を予算措置で行うこととしました。一歩前進と言えますが、自己負担額も大きく、また、予算措置で行うため政府に対する強制力はなく、来年以降の助成がどうなるかは不透明です。


因果関係が分かっている薬害肝炎だけでなく、因果関係が証明できないその他の多くの患者さんたちを救済できるしくみを早く実現するべきです。与党は、民主党との協議を止めています。このような問題は、与党がメンツを捨てて、きちんと歩み寄って協議をするべきです。