民主党 厚生労働部門 勉強会


今日の13時から、民主党は、厚生労働部門の勉強会を開催しました。
テーマは、新型インフルエンザ」


NHKスペシャルの「パンデミックを見て、新型インフルエンザの脅威を感じていたので、前の会議から走って会議室に向かいました。


講師は、国立感染症研究所研究員の岡田晴恵(おかだ・はるえ)さん。

著書も、たくさんあり、今日会議で提供された本としては、3冊あります。

(この本は、家庭向け。読みやすいそうです。)

新型インフルエンザH5N1 (岩波科学ライブラリー)

新型インフルエンザH5N1 (岩波科学ライブラリー)

(この本が一番お勧め。しかし、科学的で一般的ではないそうです。また、岩波書店のため、在庫僅少ということです。)

H5N1―強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ

H5N1―強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ

(この本が、NHKスペシャルのドラマの原原作というような位置づけになる本だそうです。)


私も不勉強だったのですが、新型インフルエンザは、常に鳥インフルエンザからはじまり、他の動物や人に感染する型が生まれてくるという。

現在、パンデミック(爆発的感染期)が予想されているのは、H5N1型というインフルエンザ。また、H5N1型の中でも、毎年毎年、DNAの変異がなされていて、いつかの段階で、人から人へ爆発的に感染する型のDNAを持ったH5N1型が誕生するだろうと予測されています。


しかし、ここでも私が知らなかったのは、今までの型と劇的に違うのは、今までのインフルエンザの型が、弱毒性なのに対して、H5N1型は、強毒性ということ。つまり、発症すれば、肺や腸だけでなく、脳をはじめ全身に症状が出るということ。


現時点では、H5N1型は、鳥から他の動物に感染し、その動物から同種の動物に感染する段階まで来ている。また、人から人への感染についても、起こってきている可能性が高いという調査結果も出ているそうです。

印象では、一刻の猶予も許されないという感じです。


各国は、新型インフルエンザ対策を大規模テロと同じような認識で準備をしており、アメリカでは、ブッシュ政権が大変力を入れている。アメリカの年間予算は、9000億円にものぼるという。


アメリカでは、パンデミック(爆発的感染期)のワクチンを、発生から6ヶ月以内につくる態勢を作っている。しかし、日本では、その計画自体がない。

また、パンデミックが起きたときに、医療従事者等に優先して投与されるプレ・パンデミックワクチン(パンデミックを起こしているH5N1型とは違う、従来型のH5N1型から作られているワクチン)は、1000万人分しかない。


日本では、国民性から言って、おそらく1000万人しかワクチンがなければ、パンデミックが起きたときに、パニックになるでしょう。また、現在のワクチンの貯蔵状態は、タンクに貯めている状態なので、製品化して流通させるようになるには、5週間もかかってしまうということです。これでは、爆発的な感染期には間に合いません。


この観点からは、まず、

・プレ・パンデミックワクチンを、全国民分用意する。

・ワクチンは、1000万人単位、100万人単位で投与すると、その中で数人はなくなるリスクはある。しかし、H5N1型のプレパンデミックワクチンを打っておくと、科学的にはパンデミック発生の際にも致死率が劇的に下がると予想される。ワクチンを打つリスクもインフォームドコンセント(知らされた上での合意)によって解決し、個人が、自分で比較・判断をして、打ち始めるようにする。

・そのためにも、いきなり全国民分を用意してから製品化するのではなく、リスクを承知した上での希望者から打てるように、用意できた分から製品化する。

という方向性の政策が必要であると思われます。


また、抗ウイルス剤としての医薬品の備蓄も必要です。

タミフルは、副作用が言われるようになりましたが、一定程度は備蓄されています。しかし、それだけでは足りません。タミフルに対して耐性ができてしまえば、有効でなくなります。そのため、医薬品も選べるように、開発をして準備をすることが必要です。


一時間の講演の内容を書き尽くすことは、なかなか難しいですが、とりあえず、私が受けた衝撃を皆様に伝えるために、重要な点だと思うことだけ書いてみました。

また、御意見をいただければ、幸いです。

m@tezj.jp