富山化学の買収の背景


今日(2008年2月13日)の日経の朝刊1面に、富山化学工業富士フイルムが買収するという記事が出ていました。

背景の一つには、富山化学による新型抗インフルエンザ薬「T−705」の開発があると思われます。


この薬については、以前、民主党の勉強会の席上、先日もご紹介した森田高(もりた・たかし)参議院議員富山県選出)が言及されていたので、今日の民主党厚生労働部門会議の後、この件について聞きました。
http://moritatakashi.sblo.jp/

森田高参議院議員の話の要約

タミフルリレンザという抗インフルエンザ薬は、新型インフルエンザのパンデミックの際には、既にウイルスの方に耐性ができてしまって、お守り程度のものになってしまいそうだ。

富山化学の新薬は、現在のタミフルリレンザという抗インフルエンザ薬とは違うメカニズムで効く薬だそうだ。

・しまった! 先週のうちに富山化学の株を買っておくのだった(冗談)。


T−705は、これから治験→製剤化というプロセスをたどるようです。

現在のタミフルの備蓄は、2800万人分。5年で期限が来て、540億円が無駄になると言われています。(足立信也(あだち・しんや)参議院議員大分県選出)談)

抗インフルエンザ薬の備蓄には、多額のコストがかかることも考えると、国産の新薬というのは、望ましいと思います。


富士フイルム富山化学を買収

 富士フイルムホールディングス東証1部上場の新薬メーカー、富山化学工業を買収する。月内にもTOB(株式公開買い付け)を開始し、子会社化する。買収総額は1000億円を超える見通し。富山化学の持つ新薬開発力を足掛かりに医薬事業に本格参入する。富山化学に約22%出資している大正製薬とも連携し、成長戦略の柱に育てる。高齢化社会の到来で安定した需要が見込める医薬市場への異業種からの参入が加速してきた。医薬業界の再編に拍車がかかりそうだ。

 週内にも発表する。TOB価格のプレミアム(価格上乗せ分)は平均とされる2―3割程度になるもよう。取得株数に上限は設けず過半数の取得を目指す。その後富士フイルム富山化学の実施する数百億円規模の第三者割当増資を引き受け、出資比率をさらに引き上げる。富山化学上場廃止になる公算が大きい。 (07:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080213AT2D1201H12022008.html