2008年4月24日質疑の未定稿

(追加2008年4月29日)

中村哲治

民主党・新緑風会・国民新・日本の中村哲治です。

本日は、新型インフルエンザ対策について、

まず第一にパンデミックワクチンについて、
第二にプレパンデミックワクチンについて、
第三にナショナルセキュリティーの問題について、

順にお尋ねをさせていただきたいと思います。


【「新型インフルエンザ」に代わる言葉について】

その前に、新型インフルエンザという名前がなかなか一般的でないという話を聞いておりまして、今大臣は、パンデミックという言葉を使っているんだがなかなか一般的に使われていないということなんですけれども、私多分、一つ例としてあるのは、メタボリックという言葉ありますよね。

一回聞いたときには、これ何の言葉だと。だけどもう今では当たり前のようにメタボ、メタボと中学生でも高校生でも言っているような状態になっています。ある種、大臣がこれからいろいろなところでパンデミックなりパンデミックフルーというような言葉を使っていただくことによって今年の流行語大賞が取れるんじゃないかなというふうに思うんですが、まずその点だけ一点指摘させていただいて、質問に入らせていただきたいと思います。


【一.パンデミックワクチンについて】

まず第一に、パンデミックワクチンについてでございます。

昨日、四月二十三日の衆議院厚生労働委員会において我が党の長妻昭議員が、パンデミックワクチンについては新型インフルエンザ発生後六か月以内に作るという政治目標を立てるべきだと、そして、そこから逆算して対応策を作るべきだという主張をいたしました。

それに対して大臣はこのようにお答えになっております、これは衆議院の議事速報、未定稿でございます。

少しこれは条件整備のための時間をいただいて、その上で大体どれぐらいでできるかということをこれは政府全体で検討したいと思います、

このように大臣は述べられております。

しかし、私たちが主張しているのは、いろいろ条件整備のための時間を政府に与えて、その後で大体どれぐらいでできるのかということを、その条件整備ができるような状況を踏まえながら期間を判断するということではなくて、まず六か月以内にという目標を立てるべきなんじゃないかと私たちは主張しているんです。

そして、その大臣の答弁を受けて、だからこそ長妻委員は、六か月内ということだったらどういう方法がありますかと政府参考人に聞いているんです。その政府参考人国立感染症研究所ウイルス第三部長の田代眞人氏はこのように答えていらっしゃいます。

現行の発育鶏卵を使用したワクチン製造方法ですと、最悪の場合一年半以上掛かる可能性があります。というのは、これは数億個という数の有精卵を短期間に供給することが現時点では時期的に非常に難しいという状況があります。

これを解決する一番根本的な方法は、有精卵に依存しない新しい組織培養を利用したワクチンの製造というのが一番現実的であると思います。ただし、日本では残念ながらまだそれに必要な組織培養の開発が進んでおりません。その組織培養を使用した場合には、新型インフルエンザが出てきてから六か月でワクチンの供給が可能になると思います

と、このように田代政府参考人は答えられております。

政治目標だと思うんですね。六か月で作ると。それを目標にすることによって、それだったら方法はあるのか。例えば、田代参考人は、それは六か月ということであれば、組織培養の方法を取ることによって六か月でできるようになると。

ここはやっぱり大臣、政治目標を私たち政治家が設定すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

あることを実現するのにいろんな手法があると思います。一つの政治的にある目標を掲げてやると。それは、例えば過去の歴史を見てみても、第二次世界大戦が始まる前にヒトラーがこういう再軍備計画を立てると、何年以内にスターリンに対して戦えるようにやると、こういうことをやった例はたくさんあります。

しかし、フィージビリティー、可能性のスタディーというのもやらないといけません。

それで、私は先般、国立感染症研究所に行って、今引用していただいた田代さんとも議論をし、長谷川さんという、これは経鼻、つまり鼻側を経由してやる噴霧型のワクチンの研究者とも話をし、それから普通入らせてもらえないラボに入って、まさに細胞培養を顕微鏡で見てみたんですね。これができると、今おっしゃったように一年半が半年に減るわけで、ただこれ、じゃいつできるんですかと。こういう難しい条件あります、こういう難しい条件ありますと。私はプロじゃないから、見て、なるほどなと聞いているだけですけれども。

仮に、これいつ新型のインフルエンザがはやり始めるか分かりません、そのときに、例えば今日からお金と研究者と研究費を使ってやって、半年後にその細胞培養技術が確立するかどうかというとこれは不明であるし、今のところは。じゃ何年掛かるんですかといったら、まだ七、八年掛かりますということなんですね。

だから、七、八年掛かるのを一生懸命、例えば三年に短縮するとかいうことは可能かもしれないんですけど、そういう研究開発というのは、幾らお金を投入しようと幾ら研究者がいようと、ある日突然エジソンみたいな特別の天才が出てきて発見するかもしれないし、何らかの触媒を使うことによって急激にできるかもしれない。ただ、これは委員、何か月という工程表が作れない話なんです。

したがって、そういうものを今私はいろいろと研究をして、計算できるものがあれば積み上げることができると。だから、今度の場合には、先ほど来申し上げていますように、もしあしたこれが起これば本当に準備ができていません。だから、それでなお少しでも早くということをやっているんで、そういう意味で万全の体制を取って、今できる可能性の限りでやっていきたいと。

したがって、先ほどの細胞培養なんかにしても経鼻ワクチンの開発にしても、私はやっぱりもう少し研究費を付けると促進できるなという感じがしますから、そういう方向で努力をしたいというふうに思っております。


中村哲治

確かに経鼻ワクチンの方は七、八年掛かるということは言えると思います。まだ世界でもだれもやっていないことですから。

それはそうだと思いますが、細胞培養の方はどうなのかということなんですね。海外のワクチンメーカーでは四か月から六か月でこれができるようになるということを言っているところもあります。だから、ここは政治決断をするところだと思うんです、目標ですから。目標どおりにできるかどうかということは必ずしも、それは神のみぞ知るとか、また科学の発達がどれぐらい進むのか分からないという、そういうファクターがあると思います。要素があると思います。

しかし、目標を定めてそれに努力する、できるかどうか分からないけれども六か月でできるようにしようと。大臣が、若しくは総理大臣が、そういう国のトップがそういう目標を設定することによって全体はそのように動きます。

だからこそ大臣、大臣のおっしゃっていることもよく分かるんです。実現可能性を考えて目標は設定しないといけないということは分かるんですけれども、まず目標を設定していただくことによって、それに伴って予算がどれぐらい必要なのかということも出てくる、どういう手段を取るべきなのかということも判断できる、そうして国会で議論をさせていただいて、予算についてもその部分に関しては野党も納得できるよねと、そういう話になっていくわけですから、だから、是非大臣、この六か月とう、そういう目標期間については、大臣の口からそういうのを目指したいと答えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

繰り返しになりますけれども、研究開発ということでなかなかそういう期間の設定は難しい。しかし、できるだけ早くやるということで、細胞培養だけじゃなくて鶏卵、有精卵の増産体制を図るというのも一つの手でしょうし、それから今やっぱり日本のメーカーの生産ラインの数が少ないですから、メーカーさんに既にお願いしてあるし、メーカーも少し動き出してくれていますので、生産ラインを上げるという、そのキャパシティーですね、それを上げるということ。それから、海外のワクチンが事前購入できないか、これも検討に入っています。

ただ、もうこれはどういう形で世界的に流行するかなんですけど、やっぱりみんなナショナルセキュリティーにかかわっているものですから、余りに海外に依存したときに、じゃ売ってあげませんよと、これはもうライセンス生産もさせてあげませんよということであれば問題があると思いますので、私は専門家じゃないですけど、これは間違っていればまた専門家の意見も聴きたい、専門家もいろんな御意見があるものですから。

細胞培養について、世界的にもまだそんなには進んでいないという認識を持っています。ですから、この分野で是非日本が世界に伍していけるようにやっていきたいと思いますが。

繰り返しになりますが、とにかく今はフィージビリティースタディーというか、どういう状況であって、今言った有精卵の増産体制、メーカーの増産体制それから外国から購入できる可能性、こういうものを総合的にやってできるだけ目的を達成するようにしますけど、この問題に限って、私の感じとして、パンデミック起こって六か月以内にというのを設定して、それによって、例えば予算を全部集中したらそれで全部可能かというようなこともありますので、その御提案を受けて更に具体的にできるかどうか検討させていただきたいというふうに思います。


中村哲治

できるだけその結論については早く出していただきたいと思います。

今御答弁の中にありましたように、海外のメーカーに対して事前購入契約ないしは事前購入予約ということを検討するとおっしゃっております。

そういういろいろな複合的な対応を取るとおっしゃっていただいているので、そういう方向で是非早く目標を設定していただいて取り組んでいただきたいと思います。


【二.プレパンデミックワクチンについて】

第二のプレパンデミックワクチンについて伺います。

私は、まず接種の順番について伺いたいと思います。

これは、基本的に希望者に接種ということが一番大事だろうと思っております。そして、まず医療従事者等、これは社会機能維持者という言葉をもう使わないということになりましたので、医療従事者等(医療従事者等ライフラインにかかわる職種)と、そういう用語をこれから使われるということでございますが、この医療従事者等に接種する場合でも、希望者に接種するということでよろしいですね。


国務大臣舛添要一君)

これは強制力を持ってやるわけではありませんので、任意ですから基本的に希望者ということです。


中村哲治

その次の人たちに接種する順番としても、希望者に接種するということが基本になると思います。

第七回専門家会議の資料によると、今年三月末までに七十万人分の製剤化が完了しているということでございます。今までの政府の回答によると、製剤化したプレパンデミックワクチンは六か月から一年で有効期限が来るということでございます。
そうすると、今年度中に七十万人を使い切る必要はあるのかなと、私も専門家ではありませんのでそういうふうに思うわけです。

一昨日、四月二十二日の参議院厚生労働委員会の質疑によると、舛添大臣は、西島英利参議院議員に対してこのように答弁されております。

六千人を対象にこのプレパンデミックワクチンを事前に接種して研究して、これ安全性、有効性を確認できれば、医療従事者等に一千万人打っていくと、そして、さらに希望者に渡るように、これは今後拡大する方向で努めていく

と、このように答弁されております。七十万人マイナス六千人ということになると六十九万四千人です。これについては今年度中に使用期限が来るということになりますから、これはどのように接種していかれるおつもりでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

使用期限が切れたものは廃棄処分にすると、そういうことであります。


中村哲治

ということは、七十万人は作っているけれども、六千人だけ使って、あと六十九万四千人分はもう捨てちゃうということでよろしいですか。


国務大臣舛添要一君)

使用期限が切れたら使えないということですから、そういうふうになります。


中村哲治

いや、それだったら、よく分からないのはなぜ七十万人も製剤化したのかということなんですね。多分、一千万人って多い数なんで七十万人ぐらいやろうかなと。でも、使う数は六千人ですよね。けたが二つ違うわけです。やっぱり前倒しにやっていくという、そういうお考えがあったのかなというようなことを思ったんですが、いかがなんですか。


国務大臣舛添要一君)

御説明をさせていただきます。

この六千人と七十万人というのは全く何の関係もありません。

要するに、バルクというか、原液に入れていますと、これは三年ぐらいはもつわけです。ちょうど我々が、ボトルの飲料でもふたを開けなければかなりもつ、しかし、いったん開けちゃうと保存期間は短くなりますね。

いったん開けちゃって、それで小ちゃく製剤化して置いてあります。本来ならば、それから数か月掛けて国家検定を受けて、つまり原液もちゃんと検定を受けてオーケーですよと言っているんですけれども、ふたを開けて分けたときに何か変なものが入ったりして小分けしたものが使えなくなったらいけないんで、もう一遍実は検査をするんです。

七十万人というのは、要するに、医療関係者などに全員にこれを何か緊急事態が起こったときにすぐ使えるようにということのための七十万人であって、したがって、例えば、本来ならそこでも検定をやる、しかし、本当にフェーズ4のような大変な状況になったら、もう緊急事態ですから、検定をしないで、原液が安全なんですから、それを使うということの前提でやっていて、それは十九年度の予算で七十万人製剤化して、いざのときの備えは医療関係者等のために取ってあると、最前線に立たれる方々の。

それで、その上で、先般の専門家会議で六千人に実験をしてみてやろうということですから、七十万という数と六千人というのはそういう意味で全く別の論理の下に成り立っていますんで、特別の両者の関係はございません。そういうことです。


中村哲治

七十万人というのは、今起こったときにすぐ使えるための準備だという答弁がいただけたということで確認させていただきたいと思います。


そして、これ今起きたらどうするのかということを考えていく必要があると思います。私は、大臣と立場が少し違うのかもしれませんが、二十一年度中に一千万人ということではなくて、できるだけ早く前倒しにしていく必要があるのではないかと思っております。

だから、七十万人分も、それを有効に、できれば今年度中に使えるようにした方がいいんではないかと考えております。


ところで、私は、そのプレパンデミックワクチンをまず医療従事者とライフラインにかかわる職種の方のうち希望者に接種をするというのは、それはそれでいいと思っています。しかし、その後は、希望者みんな平等に接種するという形が望ましいんではないかと考えております。

この間の社会機能維持者の議論で津田議員が質疑されている中で、私たち政治家や公務員が社会機能維持者に含まれると考えるという局長答弁がありました。

しかし、本当にこれで理解してもらえるのかなと。

私は政治家をやっていて、私たち政治家や公務員の方々が一般の方々に優先して接種を受けるということは政治的にはできないんじゃないかなと考えているんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

最終的にはですよ、願わくば備蓄が全国民分プレパンデミックワクチンの需要を満たせるだけなってから起こってくれればというか、問題ないんですけれども、その過程において、三千万人分しかありません、ああ、次で四千万増えました、五千万と、一気になかなかできません、一気にできればいいんですけれども。そのときに、お医者さんとか看護師さん、救急隊員、検疫官、これはもうだれもが最初にやってくださいと言うでしょうけれども、そこから後どういう優先順位をつくるか。御高齢の方と子供さん、そっちが先なのかどうなのか、じゃどの職業が先なのか。
これはやっぱり、国民みんなが納得する形できちんと優先順位というのを議論して決める、例えば国会で決めるとか、国会が決めた専門委員会で決めるとか、そういうことがないといけないと思います。

ただ、公務員が駄目かといったら、保健所の所長さんというのは公務員ですから、この人なんかはまさに一番最初に患者の皆さんたちが飛び込んできてその相談窓口になるわけだから、この人は絶対必要でしょうということになりますから、それは国民の皆さんがどうしても優先順位を付けないといけないときには、そういう順序でよろしいですよというコンセンサスを得た上のことだと思います。

恐らく私は、厚生労働大臣で現場にも飛ばないといけないだろうし、最前線で指揮をしないといけないでしょうから、私は打たなかったらしかられる、しかられるというか、私が打つことはだれも文句は言わないと思いますが、じゃ厚生労働委員会の委員の先生方はどうですかと。それは、皆さん方一番大事な国権の最高機関で、この厚生労働委員会で決まるわけですから、いろんな法律なんか。それは私は、そして視察にもやっぱり行っていただきたいと思いますよ。私の目だけで見てもそれは十分見えない部分がありますから、お医者さんもおられますし。そうすると、私は厚生労働委員会の委員の皆さん方は、やはり職務上これはプレパンデミックワクチンは優先して打たれてしかるべきだと考えております。

したがって、そういうことを、国民はそれを納得していただけると思いますので、国民的なコンセンサスを得れるような議論をしたいと思います。


中村哲治

私は、だから一千万人、二千万人という規模じゃなくて、希望者にできるだけ早く打てる体制を取れば私たちも一般希望者として出してもらうことができるわけですよ。そういう考え方が必要なんじゃないかと。現場に行かなくちゃいけないというのは私たちだけじゃないですから。

それから、今保健所の所長さんとおっしゃいましたけれども、多分この方々というのは公務員の中でもまず医療従事者等に入ると思うんですね。

だから、私が申し上げているのは、その後の次の話なんです。そこをまず大臣、認識はしていただきたいと思います。だから、やっぱり、大臣がおっしゃっていることもそのとおりだとは思うんですけれども、だからこそ優先順位をいかに付けていくのかということが大事なんです。

そのためには国民的な議論が必要です。

新聞広告とかインターネットとかも言われていますけれども、私は、大臣が記者会見等々いろいろ出ていかれるときに、どういう言葉を使われるのか、さっきもありましたけど、パンデミックとかパンデミック・フルーとかいう新しい言葉を使われて、おっしゃることで何だろうなと、国民の皆さんが、優先順位付ける議論を始めましょうよと大臣がおっしゃったときに、それじゃどういうふうにしていったらいいんだという国民的な議論って自然にわいてくると思いますし、それに皆さん協力されると思います。

そういう議論が多分一番必要だと思います。

大臣の発信力強いですから、そのことの御自身の力をもう一度再認識していた
だいたらと思います。


この順番について、今から少しずつ聞いていきたいと思います。

子供についてはサイトカイン・ストームという過剰免疫反応が新型インフルエンザについては考えられ、私たち大人よりも接種の優先度が高いと考えられます。

今年四月から子供に対する治験を始めるということです。十二月に結果が出るということでございますが、その後、親御さんの中には自分の子供への接種を希望するという方が現時点でもたくさんいらっしゃいますので、そういう方が希望された場合にいつごろ提供できればいいかなと考えていらっしゃるでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

実は昨日、衆議院厚生労働委員会でお医者さんの委員の方から御質問がございまして、逆に慎重にやってくださいと。

例えば、いろんなワクチンで副作用がありますね。

副作用はやっぱり子供の方が激しくなって、脳に障害が起こったり、現在これだけの数の方が障害起こっていますよということを御指摘になって、逆に大臣これは急がないでくださいと、慎重にやってくださいと。それで、特に、子供が私打ってくれって言わないですから、お母さんがうちの子供お願いしますと。ところが、打った結果、不幸にして副作用で脳に障害が起こった。そうすると、私があのときにああ言ったばっかりにうちの子がこうなったという悲劇が生まれてくる。

だから、そういうことをしっかり考えてくださいよという議論を随分昨日やりました。

私は、取りあえず六千人の臨床研究というのは大人ですよね、医療関係者の。それでやって数字、安全性を見る。そして、治験と臨床研究は別ですけれども、小児それから例えば妊娠している御婦人の方々、御高齢の方々、こういう方々それぞれ
にどういう手を打っていくかというのは、やっぱりきちんと安全性、有効性をある程度実証研究してからの方がいいんではないかなというふうに思いました、昨日の議論で。

ですから、ただ拙速で早めればいいということでもないんで、これは専門家の御意見もいただいた上で、やっぱりまずは大人での実験を見てだろうというのが今の私の考えであります。


中村哲治

大臣、ここに専門家会議の資料七というのがありまして、百二十例で子供に対する治験を始めるという、それが十二月までの結果が出ると書いてありますので、そこは大臣、踏まえた上で多分おっしゃっているんだとは思うんですけれども、そういうことだと思います。

それで、先ほど大臣おっしゃったように、まず親御さんが自分の子供に打ってくれと、接種をしてくれという話になるんだと思います。だから、十分インフォームド・コンセントをして危険性についても知らせた上で、それでもなお希望する方たちに接種するという、その選択肢は用意するべきだと思うんです。

そこでやっぱり危険性があるからやめておこうという親御さんもいらっしゃるでしょうし、どのリスクに対する優先順位をその人が選ばれるかということだと思うんですね。

だから、そこは大臣、昨日の質疑も私は理解するんですけれども、選択肢を用意すべきなのではないかということなんですけれども、いかがですか。


国務大臣舛添要一君)

非常にそこの判断が難しいところで、専門家の皆さん方は小児に治験を始めようということでありますけれども、ただ、ちょっと待ってくれという意見も衆議院厚生労働委員会の委員の方々から、数名からあったものですから、そういうことを踏まえて少し慎重に対応させていただきたい。

それで、やはりこれは治験は治験としてきちんとやるにしても、例えば大人に対する治験は既に終わっている。しかし、これは六千人、実際どうだというのは打ってみてのことなんで、やっぱりある程度データの積み上げが必要じゃないかなという感じがしております。

ですから、選択肢を早く示せ、用意しろと、これは正論なんです。

しかし、生身の体を使ってある意味で実験をするわけですから、特に小ちゃな子供の場合には少しの慎重さはあっていいかなというのが今の私の結論です。


中村哲治

治験については百二十例でこの十二月までやるということですよね、子供について。

だから、そこはそういう話だと思うんです。

ちょっと時間もなくなってまいりましたので、指摘だけさせていただきたいと思うんですけれども、予算的な措置が難しいのであれば、例えば実費等三千円程度の今の従来型インフルエンザのワクチンを接種するときの手数料、実費を取るとか、そういう方法も考えられますし、もし希望者が多数であれば抽せんをするということも方法の中に入れてもいいと思います。

また、補完的に、国産だけじゃなくて、このプレパンデミックワクチンの輸入も検討すべきではないかと思います。

こういったことを組み合わせていけば、希望者にかなり早くの段階で渡っていくんじゃないかと思います。


【三.ナショナルセキュリティー】

最後に、第三のナショナルセキュリティーの問題について触れさせていただきたいと思います。

大臣は、四月二十二日の質疑において新型インフルエンザの問題に対して、国家の危機管理、ナショナルセキュリティーの問題としてとらえるべきであり、そのことを前提として予算措置を獲得する努力をしたいという答弁をなさいました。

もう私そのとおりだと思うんです。

具体的に予算規模としてはどれぐらいのことを考えていらっしゃるでしょうか。


国務大臣舛添要一君)

一千万人分のプレパンデミックワクチンの原液を買うのに五十億円掛かりました。そうすると、一億二千万人、単純に計算しますと六百億円と、単純計算ですけれども。

例えば、これさっと一気に集まるかどうかは別として、それだけ一気に備えようとすると、プレパンデミックワクチン国民全員分の購入費だけで六百億円という数字になります。

それから、危機管理体制を整備するためには本当にいろんな予算が必要で、病院の病床の数が足りなければ、じゃ成田空港周辺のホテルを押さえて病院代わりにするかと、じゃそのお金も必要ですね。ですからそれは今から積み上げていかないといけないと思いますので、来年度概算要求に向かって、その積算も今からきちんとやってみたいと思っています。

だから、今幾らということは言えませんが、一つの例としてワクチンの購入代と
いったら六百億円という数字が出ます。


中村哲治

細胞培養等を考えると、もうけたが一つか二つぐらい上で考えないといけないんじゃないかと思うんですね。おととい西島議員も、命を守るという安全保障の視点では、もし使われなかったときは無駄じゃないかということを考える必要は全くないんだと、そういうふうにおっしゃっておりました。

私も同じような考え方です。

多分、議員ほとんど同じ考え方だと思うんですね。

だから、一けた、二けた違うという認識で要求をしてください。

終わります。