中村てつじ「日本再構築」ブログ

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成田空港視察:温度管理できていない生鮮物輸入


【切れてしまっているクールチェーン】

日本が輸入する生鮮物(魚・野菜・果物・花)について、きちんと温度管理がされているのかを調査するために、成田空港を視察して参りました。(知り合いの生鮮物を輸入する会社の人から相談を受けたのでした。)

一言で感想を言えば、「ここは先進国の空港なのか」


諸外国では、「クールチェーン」という、低温の状態を維持したまま
1.飛行機からの積み降ろし
2.通関
3.国内消費者への輸送
までが切れ目なくできるシステムができあがっています。

しかし、日本では、そのシステムが崩れてしまっているのです。


飛行機では、貨物は「エアラインパレット」という大きな箱に入れられて輸送されます。(以下、「パレット」と記)。

飛行機が成田空港に到着すると、飛行機から「上屋」(うわや)という場所に積み降ろされます。そこで、通関手続きのため、パレットを開けて積み荷がきちんと揃っていることをチェックします。(パレットを開けることを「ブレイクダウン」と言います。)

植物(野菜・果物・花)の場合には、検疫官の検疫を受けることになります。
成田空港の問題は、その検疫までの数時間の間、上屋が温度管理されていないために、外気温にさらされるという点です。当然、その間に、植物は結露したりして傷みます。

また、上屋から検疫所までは直接日光にさらされますし、上屋も密封されていないので、燻蒸されるまでの間、植物についている虫は、飛んで行って日本に侵入することになります。せっかく検疫しているにもかかわらず、水際で止められていないのです。

この問題は、「検疫」という検査制度がない魚でも同様です。通関手続きなどに時間がかかり、空港から出すまでに魚を入れている発泡スチロール内の氷は溶けてしまいます。(魚の場合も、魚の種類や輸入元の国によって、厳しい検査がなされることもあるようです。)

この問題を解決する方法は2つあります。


【1.温度管理された場所】

一つは、上屋の一部に温度管理されている場所を作ること。数年前に、上屋に350m2ほどの温度管理されている場所が作られたのですが、狭いのでパレットを引っ張る「ドーリー」というクルマが入れず、結局、ブレイクダウンは、温度管理がなされていない場所ですることになってしまっています。

その狭い場所も、荷主(貿易会社)が何年間も強く希望してやっと数年前にできたということです。この点、羽田空港の国際化によりできる予定の上屋は、温度管理された生鮮物専用の場所があるそうです。このままでは、羽田の国際化により、旅客運送だけでなく輸入生鮮貨物についても、成田が空港間競争に負けてしまう可能性が出てきました。


【2.空港外の保税倉庫の活用】

もう一つは、現在既に存在している、空港周辺にある民間の保税倉庫を活用することです。私は、日通の保税倉庫を視察させていただいたのですが、燻蒸庫もある施設でした。

このような民間施設を国が認定し、検疫官を常駐させることで、クールチェーンが保たれた状態で検疫ができるようになります。

この解決方法に対しては、第一に、「これからさらに、このような保税倉庫がたくさん造られ、それだけの検疫官は用意できない」という批判があります。
しかし、燻蒸庫は一つ作るのに2億円〜3億円程度ということなので、新規投資には大きな経営判断が求められます。しかも、現在、だんだんと燻蒸率が下がってきているので、新しい需要が見込めるわけでもなく、新規投資へのハードルは非常に高い。つまり、新しく燻蒸庫を備えた保税倉庫が次々と造られるということは、ほとんど考えられません。

第二の批判としては、検疫は空港内に限られるので、空港外の保税倉庫は法律違反というものがあります。この点については、みなし規定をおくなど、必要ならば法令の改正をすればいい話です。


【「インタクト」=魚の場合】

魚の場合には、「インタクト」という2〜3年前から導入された方法もあります。つまり、エアラインパレットを空港内でブレイクダウンせずに、直接民間の倉庫へ運び、そこでブレイクダウンして、通関手続をするという方法です。

メリットとしては、
1.時間が節約できる
2.クールチェーンが切れない
3.上屋使用料を空港会社との交渉で下げる余地がある
(空港内の施設使用料は高い。13.8円/kg=13800円/t。ヨーロッパ→日本の航空運賃が約200円/kgなので、かなりのウエイトを占める。)
というものがあります。


しかし、航空会社にとっては、インタクトに同意したとしても、上屋料金を荷主に戻さないといけないという規制はありません。交渉がうまくいかない場合には、上屋をほとんど使わないにもかかわらず、上屋使用料を荷主は払う必要があります。

この面は、デメリットとも言えます。この他、デメリットとしては、
1.発地国(輸出側)と到着地国(輸入側)で、同じ系統の代理店(通関業者)である必要があること
2.一つのパレットに一つの業者であること。つまり、複数業者の混載はダメだということ。
というものがあります。


このような制限があるために、インタクトはあまり進んでいないようです。
(貿易会社の方は、全体の3割程度とおっしゃっていました。)


【仲間の議員との話】

ドバイ空港では、生鮮物の温度管理がキチンとされているようです。7月1日から細野豪志(ほその・ごうし)衆議院議員衆院予算委員会の視察でドバイに行かれるということだったので、ぜひ、見てきて欲しい旨伝えました。

また、中部国際空港は、トヨタが作った空港らしく、ドライ貨物(生鮮物以外の貨物)の管理は優れているそうですが、生鮮物の扱いについては考慮されていない空港だそうです。そこで、愛知県選出の古川元久(ふるかわ・もとひさ)衆議院議員に、この件について調べていただくようにお願いしました。



はじめに感想を述べたように、市民の立場で考えれば「当然なされている」と思っていることが全くなされていないことがあります。この問題もそのうちの一つです。

地味な問題ですが、国会議員が動かなければいつまでも解決しない問題でもあるということなのでしょう。情けない話ですが。

この問題にも、引き続き取り組んで参ります。



参議院議員 中村てつじ
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