登記オンライン申請システムの更新(5)〜 意見募集はじまる 〜


私は、この数日、国会での答弁や行政刷新会議事業仕分けで、忙殺されていて、民事局が約束した情報公開について、サイトをチェックできていませんでした。先週末に「11月16日に公開する予定です。」と報告があったので、週明けを楽しみにしていました。

今晩やっと、確認することができました。すると、約束した情報公開については、中途半端にしかなされていないことが判明。怒りを通り越して、情けなく脱力をしてしまう。担当者は「法務大臣政務官ごときが言っても、何も変わりません。」と思っているのでしょうか。悲しいことです。先週末にも、あれだけ厳しく言ったのに・・・。

情報がある場所も分かりにくいし、情報公開の程度も中途半端。これで国民に何を伝えようとしているのか。


これだけでは、記事をご覧の読者の方も良く分からないでしょうから、順を追って詳述します。


法務省のサイトでは、「「新オンライン登記申請システム骨子案」に関する意見募集結果等の公表及び意見募集について(平成21年11月16日)」とあるので、クリックする。
http://www.moj.go.jp/oshirase20.html


次に、「「新オンライン登記申請システム骨子案」に関する意見募集結果等の公表及び意見募集について」と表示されるので、クリックする。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public


そうすると、ずらずらと現在パブリックコメントにかけられたものが出てくる。スクロールしていくと、下の方に、「2009年11月16日 300080061「新オンライン登記申請システム骨子案」に対する意見募集結果等に関する意見募集」とあるので、クリックする。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=300080061&OBJCD=&GROUP=


そこで、やっと目的のページに着きます。
なんで法務省のサイトから直接リンクを張らないのだ??


そのページの「関連資料、その他」のところに、ようやく公開資料があることが分かります。1つ1つPDFのファイルをクリックすると、最小限度と思われるような資料が出てきます。特に、「ユーザビリティ向上のための利用者意見の反映について」は、いわゆる「ポンチ絵」1枚のみ。

ちなみに、こういう図表を、なぜか霞ヶ関では「ポンチ絵」と呼んでいるのですが、「ポンチ絵」とは、広辞苑を引くと「寓意・風刺の滑稽な絵。漫画。」とあります。「ああ、風刺画なのね。」と妙に納得。(馬鹿な庶民に見せる絵という感覚??)


登記情報システムについては、一昨日(17日)、行政刷新会議が行う事業仕分けの対象になったようです。私は、前の2つの事業の仕分けには参加したのですが、時間の都合でこの仕分けには参加できず。報告によれば、大過なく認められた様子です。

ただ、このシステムについては、事業仕分けで行う1時間程度のチェックでは問題点が分からないのではないかと危惧しています。

私が、何回にもわたり情報公開を求めても、一回一回最小限度の資料しか持ってこない。のべ何時間もかけて、やっと漠然と姿が見えてきているという現状です。わずか1時間では、仕分け人の方が問題点を指摘できなかった可能性も高い。

もちろん、法務大臣政務官の立場では、事業仕分けで認められたということは、予算獲得上、省内的には、いいことなのですが・・・。


登記のオンライン申請は、昨年の1月から「特例方式」が始まって、急激に申請件数が伸びていますが、完全オンライン申請は1.1%しかありません。逆に言えば、98.9%は「特例方式」です。「特例方式」とは、オンラインで申請はするが、オンライン申請で完結せず、後で必要書類を郵送する方式です。書面申請とどれだけ違うのか、何回説明を受けてもハッキリしません。

急激に申請数が伸びているのは、特例方式でもオンライン申請をすると、登録免許税を10%引きにしているからです。逆に言えば、登録免許税を原則に戻せば、「回線がパンクする」というシステム更新の前提条件も、解決することになります。


登記の関係のシステムは、私が理解しているだけでも「登記情報システム」「地図情報システム」「オンライン申請システム」とあるのですが、全体像はよく見えず、まるで伏魔殿のようです。

政府のシステム調達については、「ITゼネコンの利権になっている」と一般的に指摘されていることですが、その実像を表している資料を見たことはありません。

河野太郎代議士のブログで呼びかけを受け、逃げられずに取り組みをはじめたこのテーマでしたが、私は、踏み入れてはならない領域に足を踏み入れたのかも知れません。


全国の司法書士の皆さん、土地家屋調査士の皆さん、お願いです。この新オンライン申請システムについての「意見募集要領」をご覧になって、ぜひ、積極的にご意見を法務省まで寄せてください。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000058226


本当に、このまま進めて行って良いのか。
プロの皆さん、どうか本音を伝えて下さい。
よろしくお願いいたします。