中村てつじ「日本再構築」ブログ

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デフレ〜3つの異なる原因


デフレ(デフレーション)の原因についてツイッターで聞かれたので回答をしています。ツイッターでは断片的になるので一度ブログで整理しておいた方がいいと思い、記事を書くことにしました。

デフレーションの定義は、「貨幣および信用供給の収縮によって,貨幣供給量が流通に必要な量を下回ることから生ずる一般的物価水準の下落のこと。生産水準の低下と失業の増加が起こり,景気後退や不況に結びついてゆく。デフレ。」とされています。(出典:大辞林 第二版)
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/223846/m0u/%E3%83%87%E3%83%95%E3%83%AC/


私の分析では、日本のデフレの原因には少なくとも3つの異なる原因があります。


◇1.IT革命

一つ目はIT革命(情報通信革命・ICT革命)です。IT革命により、世界中で情報の格差が無くなり、経済活動が世界規模化(グローバル化)しました。

例えば、私たちが着ている服。昔は「舶来物」と言えば、海外先進国で作られた高級品の代名詞でした。普通の服は日本国内で作られていました。しかし、「ユニクロ化」と言われるように、私たちが現在着ている普通の服は、途上国で作られ輸入されている高品質・低価格のモノです。

IT革命が世界中の人にどのような生活の変化をもたらすのかについては、未来学派の学者達が分析しているので私がくどくど申し上げるまでもないでしょう。ただ共通している分析は「消費者としては高品質・低価格のモノが世界中から買える。しかし、供給者としては24時間・365日世界の市場を相手にビジネスを展開しなければ仕事を続けていくことができない」ということです。

この辺りの分析(ニュー・エコノミー分析)については、ロバート・ライシュ教授の「勝者の代償」がお勧めです。(またこの本は好著・山田昌弘希望格差社会」のベースに流れている考え方を示した本でもあります。)

勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

このIT革命によるデフレは、先進各国に共通したデフレ原因です。子ども手当や高校実質無償化という政策は、「自国の若者と途上国の若者を同じ土俵で戦わせず、より高度の生産・ゆえに高賃金の仕事につけるように押し上げていく政策」として各国が採用されている政策という位置づけになります。


◇2.「黒字亡国」

二つ目の原因は、経常黒字を累積的に積み上げることによって、構造的に黒字分が外国に留まり、日本で作られた付加価値が黒字分だけ日本に戻ってこず、資金循環が悪くなるという原因です。

このメカニズムについては、三國陽夫先生の「黒字亡国」に詳しいです。過去このブログに記事も書いています。
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20070220

黒字亡国―対米黒字が日本経済を殺す (文春新書)

黒字亡国―対米黒字が日本経済を殺す (文春新書)

また、三國先生の最近のインタビューをご覧になっても、このメカニズムを納得して頂けると思います。
「円安誘導は購買力を奪う、債権国の経済学へ転換を」
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/338832bf6f7c36cf66688921a53fe31a/


日本とアメリカとの関係は、植民地時代のインドとイギリスとの関係に似ています。この構造を変えるためには、日本の消費者が日本国内での消費を拡大し輸入を拡大しなければなりません。このこと自体は国民の生活が豊かになることなのでいいことです。日本は世界最大級の債権国になったのだから、それにふさわしい国内経済の構造に変える必要があります。


◇3.日本の住宅は「耐久消費財

日本の住宅にまつわる特有の問題は、他の国では住宅は「資産」であるのに日本では住宅は「耐久消費財」となっていることです。日本の住宅は、築後20年でほぼ経済価値がゼロになってしまいます。もちろん20年で住めなくなるわけではないのですが、経済的な交換価値がゼロになってしまい「資産」という意味で活用ができなくなります。

年間の住宅投資は約19兆円。つまり年間19兆円もの国富が毎年毎年失われているということです。ここがアメリカの住宅市場との大きな違いです。

本来資産でなければならないものが毎年失われているということになれば、資産デフレにより信用を供給できる担保価値が毎年失われているということになり、その分だけでも貨幣の供給量が減ります。(=デフレ)


この問題を解決するためには、日本の不動産業が構造を改革してより良い品質の不動産を効率よく安く提供する態勢を作ることが必要です。

過去このブログにもこの観点から記事を書いています。
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20091231
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20090914



以上、日本のデフレの原因となっている3つの要因について述べました。今、私の中で整理されていることを上げただけなので、気づいていない点や忘れている点もあろうかと存じます。さらなる御指摘を頂ければ幸いです。

m@tezj.jp