原発のストレステスト

(記2011/07/18)
7月17日のツイッターで「原発のストレステスト」について書きました。連続ツイートの形になったので、あらためてブログ記事の形にまとめておきます。


「このところ調べていたEUのストレステストの最大のポイントは、国際的なチームが互いに情報を共有し合って平準化、客観化している点です。また、機械だけでなく、人間的な要素も見ています。そこにある精神を実現するストレステスト実現のために努力します。」民主党谷岡郁子(たにおか・くにこ @kunivoice)参議院議員の7月15日のツイートです。

先週の民主党原発事故PTでは、谷岡郁子議員が欧州のストレステストについて調査の結果を報告されました。政府が言っている日本流「ストレステスト」と欧州がやっている内容は全く違う様子でした。政府側からは「ストレステストについては突然指示があったので、今から内容を議論します」と言い訳。


原発についての立場について、私も色々なところで聞かれるのでここで自分のスタンスを整理しておきます。蓄電池や再エネの技術開発と生産については、国家的プロジェクトとして赤字国債を財源にして積極的にやるべきです。しかしタイムラグがあるので原子力も必要(使える程度で使えるべき)。ゆえにストレステストを実施して原発の再稼働を行う、という折衷案的スタンスになります。

原発のストレステストで重要なことは国際的なピアレビュー(相互審査)の体制を作ることです。日本の技術が国際的な立場から見てどのような評価を受けるのか、評価する人材も海外の人材が行うべきです。資料の英訳等で事業者の負担は増えるでしょうが、手続きも国際的に通用するものでなければならないはずです。


ストレステストの結果を再稼働の要件にするかどうかは、結局、安全協定の相手方である原発立地県の自治体の判断になります。自治体が「これでいい」と自己判断できれば、ストレステストの結果によらないで動かすことは可能です。だから、7月11日に国が出した方針(いわゆる政府統一見解)も、第一段階と第二段階に分けて、第一段階の再稼働の要件には、ストレステストの結果を要件にしなかったわけです。

ただ、一自治体にとって自分だけでの判断はもはや難しいというのも事実でしょう。結局、住民を説得するためにはストレステストまで行うという自治体が多くなることも予想されます。


また、国が安全と言っても、いろいろ変遷があっただけに「本当にそうか?」と「?」がつくことでしょう。だから国際的なピアレビューが大切になります。

ただ、国際的なピアレビューという点で懸念されるのは国際的な人材不足。EUがストレステストについて日本との協議を開始したらしいです。(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110715k0000m030161000c.html

EUから協力を得られるように協議が進むことを祈っています。