中村てつじ「日本再構築」ブログ

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大阪都構想に見る奈良県の行方


11月27日、「大阪都構想」を掲げる大阪維新の会大阪府知事選挙と大阪市長選挙を制した。大阪都構想がどのように具体化されていくのかについては、これからの議論を見るしかないが、奈良県などの周辺自治体としては大阪府大阪市が統合するような巨大自治体が誕生することを前提として自分たちの未来を考えて行かなくてはならない。

翌日である今朝、私が駅立ちの場所に選んだのは、JR大和小泉駅だった。奈良県有数のベッドタウンを抱える矢田丘陵から通勤する人が多い駅である。大阪に通勤しながら奈良で居を構える人に訴えたのは、「あえて奈良で住宅を持って頂いていることに対して、政治はその資産価値を低下させない住宅政策を展開するべきだ」という主張を伝える必要があると考えたからである。


橋下徹氏は、国政への進出を考えていると言われている。その当否は、私としては現時点でコメントする立場にないが、その前提条件として、大阪都構想に対して既存政党が賛成しないことが上げられている。この点は、選挙に負けた民主党としてはきちんと考えないといけない。

大阪都構想の具体的なスケジュールとすれば、実現は4年間を目指しているとされる。それならば、大阪都構想の具体的な姿は、構想の現実化に向けた取り組みがこの2年程度なされる中で見えてくることになろう。民主党大阪府連もその具体化のプロセスと平行して、「大阪都構想を実現するために地方自治法を改正するのか」という論点に対して、立場を明確にしていくことになろう。

私は、大阪府選出の国会議員ではないが、大阪府に出稼ぎに行っている県民を日本一たくさん擁している奈良県選出の国会議員である。そのため、第一義的には、大阪府選出の民主党議員が民主党の立場を決めるべきだと思うが、大阪都構想を支持する民意が出た以上、その方向で進むことも視野に入れて奈良県としても奈良県民としても準備をして行く必要があると考える。


どのような形で大阪都になるのか未だハッキリとしないところがあるが、イメージとしては東京都のような特別区については首長が選挙で選ばれる行政体だと考えられる。そうすると、大阪市の領域だけで考えるのではなく、「大大阪」の概念で、「より大阪市領域に求心力を持たせる形で、周辺市町村を巻き込んだ都市政府づくり」がなされることが予想される。

つまり、「都市の持つ高度な生産力」を拡大する方向性の地方政府になるということである。今日発売のAERAで内田樹氏が「「選択と集中」と「トリクルダウン」理論の破綻」としてコラムを書かれている(p.11)通り、この方向性については、時代に逆行していると見る向きもある。しかし、「衰退していく大阪」という大阪の現状に我慢がならなかった大阪府民が、橋下氏の破壊力に期待したのは想像に難くない。

奈良県民としては、その成功・失敗の結果が数十年後に出るとしても、今日は大阪として「選択と集中」の都市形成に入るというスタートの一日になったということであり、かつ、この数十年はその大阪のふるまいに付き合って行かなくてはならなくなったということは、認識しなくてはならない。それが、奈良が大阪の「周辺」地帯であることの宿命である。


以上の現状認識の下で、私の現時点での立場を述べておく。奈良県は、関西広域連合に参加しつつも、奈良県としての行政体は維持をする。決して、大阪都に合併するような形で統合されるのではなく、大阪の「周辺」自治体として存続する。

その意味は、大阪のまちづくりには、大阪と一番経済的に関係の深い「周辺」自治体として協力をして行くが、あくまで自主自立の存在として、大阪都に対しては主張を行って行くという意味である。

このような立場でなければ、うまく行かない例として、今回の台風12号の被害がある。広域的な連携があったからこそ災害復旧に当たれているが、更に進んで大阪都の一部であったようなことを考えた時、大阪都知事が集中的に取り組めたのかとは思えないからである。ここは、紀伊半島という特殊な地形の中心部を担っている奈良が奈良県という単位で行政体を持っていたから故に、県知事も県議会議員も災害復旧に当たれていると考えるのが素直だ。


この姿勢なくして、大阪のベットタウンとして奈良が住宅都市としての地位を維持することはできない。…これが、今朝、小泉駅で主張した演説の骨子である。

11月15日の予算委員会の報告をビラにしたものを配布したのも、その主張の一環だった。
(委員会議事録)
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20111115
(ビラの内容)
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20111121


私が奈良県選出の国会議員として住宅政策に取り組んでいるのは、住宅都市としての奈良県の宿命と向かい合うためである。そこまで問題意識を奈良県の自治体の首長と共有できていないのが残念なところではあるが、そのような愚痴を言っていても仕方ないので、私は私で理解されるまで言い続ける、と決意を新たにしたところである。