原発再稼働に慎重という理由


昨日(2012年7月13日(金))も、自然発生的なデモが首相官邸を囲みました。日本の戦後史の中で、このような組織されていない人たちが集まった時はなかったのではないでしょうか。

私は、原発の再稼働に慎重な立場です。署名も6月5日に官邸へ提出しました。(条件が整った場合の将来的な再稼働には反対して居ないので、反対の立場と明言することは誤解される可能性があるのでひかえています。)


現時点での問題は、原発の安全性そのものが疑問であるということと共に、再稼働に至るプロセスでは社会的合意形成が不十分だということです。

再稼働の問題と中長期的に原発をどうするのかという問題は、分けて考える必要があります。ちなみに、民主党離党後に結成した国民の生活が第一」では党議拘束をかけないため、より自由に発言ができるようになりました。

そこで、私は原発ゼロへ。代替エネルギーの開発」を主張しています。ただ、「即時ゼロ」とまでは言えていません。即時廃止の場合には青森県から反発が出て、六ヶ所村の高レベル廃棄物をどうするのかという意思決定も即時に決めなくてはいけなくなるからです。その議論には一定の時間がかかると考えます。そのために、今後10年程度の原発ゼロを当面の目標とし、遅くとも2030年にはゼロにすることを打ち出して取り組むべきだと考えています。


話を原発再稼働に戻します。

政府は、原子炉の安全性について検証をしてきたということで、民主党内の説得をしていました。しかし、先日も報道されているように、大飯3・4号機と1・2号機の間には、活断層が走っているのではないか、という疑惑があり、その資料が保安院の専門家会議に提出されなかったという事実もあります。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65813825.html


また、仮に原子炉の安全性が一定程度保たれたとしても、人への安全が確保されているのかというソフト部分が問題です。

だから、私は、6月5日に、首相官邸に「大飯原発3・4号機の再稼働に関し、なお一層慎重に判断することの要請」文書を国会議員117名のうちの一人として提出をしたわけです。

この時の文書や、この背景にある考え方などの情報は、谷岡郁子(たにおか・くにこ)参議院議員(愛知県選挙区・来年改選)のサイトに詳しいので、御紹介いたします。
http://taniokachannel.blog105.fc2.com/blog-entry-287.html

その署名文書にもある通り、PTでは4月10日の時点で、慎重に判断すべきという意見書を政調に上げています。そこに書かれていることは、今でも多くの皆さまに納得していただけることだろうと思います。
http://www.taniokachannel.com/report/resource120605.pdf


簡単に言えば、(1)国会事故調・政府事故調福島第一原発事故の原因究明を待って、その知見を活かすということ (2)新組織による新基準により決めるべきということ(原子力規制委員会・規制庁発足後のマニュアルなど)(3)万が一の場合に必要な、新法による地域防災計画がまだできていないこと(4)福島第一原発事故の際にも現場作業の砦となった「免震棟」を作ること、の4点が重要です。

逆に言えば、私は、このような条件が整えば、原発の再稼働には反対をしないということなのです。

「では、現時点では条件が整っていないので、原発再稼働には「現時点では」という条件をつければ「反対」ですね」と問われれば、「そうです」ということになりますね。何か、現時点での消費税反対ということと良く似ている感じがします。