中村てつじ「日本再構築」ブログ

中村てつじが詳しく説明いたします!! 日常活動のブログと分けました!

木でマンションを建てる?

(2013/11/19「中村てつじメールニュース」バックナンバー)

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「中村さん、いくら「里山資本主義」が良いって言っても、都市生活を捨てて貧しくなれっていうことだったら、誰もついてきませんよ」というお言葉をいただきます。

いや、そんなことではありません。
都市生活こそ、里山資本主義が活きます。

ちょっと新しい言葉を申し上げます。
「CLT」(シー・エル・ティー)というものです。

端的に言えば、「木でマンションを建てるんです」

と言えば、現時点では「?」と思う人が多いでしょう。
でも、技術的には可能なのです。後は、やる気の問題です。

CLTが日本でも実用化されれば、森と都市が結びつき、森の産業も再生されていきます。

都市住民がファンドを作って森に投資し、そこでできた建築資材でマンションを都市に建てる、というのは夢がありませんか?

「集成材」(しゅうせいざい)は御存じでしょうか。
これは、乾燥した木を貼り合わせて作る柱のことです。
http://www.syuseizai.com/

現在の日本では、ハウスメーカーなどが作る木造住宅のほとんどは、集成材で作るのが当たり前になっています。無垢の木材に比べて、性能が均一で、構造計算もし易いからです。

これに対して、CLT(Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー))とは、板と板とを直交するように積み重ね接着した厚型パネルのことです。現時点では「日本農林規格JAS)として、直行集成板(案)の名称により制定に向けた協議が進められて」いるようです。
http://www.clt-kenchiku.org/

端的に言えば、集成材が「柱」なのに対して、CLTはコンクリートパネルに代わる強度を持つ「面材」だということです。日本ではCLTは一般的な意味では実用化されていません。

欧州では既にCLTで作ったビルができています。木材はコンクリートに比べて軽量のため、耐震性にも優れ、施工もシンプルです。
http://www.clt-kenchiku.org/wdoc/?q=grp01

ロンドンでは既に9階建てのマンションが建っています。
http://klh.heteml.jp/example/

本の森林で伐期に入っている木材をCLTに加工して集合住宅などの建築物に使えば、都市生活に木材が利用できるようになります。

現在、木が森から出てこないのは、建築需要が弱いからという要因があります。もちろん、効率的に木材を森から搬出するための作業道や作業路が整備されていないという問題もあります。ただ、大量に木材が建築資材として消費されるような道が開かれれば、森林の路網整備にも木材加工の工場にも投資がされることになります。

なぜ、CLTが日本では実用化されていないのか?

と疑問に思われるでしょう。一番大きな要因は、現時点では建築基準法で認定されている建築資材になっていないため、大規模な構造計算が必要だということです。私も現職の国会議員の時にCLTが認定されるように国交省林野庁に働きかけを続けて参りました。

その時には、「どこかの自治体が、損得抜きに建ててもらわないとできないですよね」と言われたものでした。その点、最近、新たな動きが出てきました。

「高知おおとよ製材」の社員寮が日本で初めて構造躯体としてCLTを使用した建物として作られるようです。現時点では着工され、11月30日には構造見学会も開かれるようです。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131106/639010/
http://www.clt-kenchiku.org/wevent/?q=grp01

このような形で、実際に建物が建ち、実績を積み重ねていけば、早い段階で一般的な建築資材として認められるようになるでしょう。

そうすれば、日本の山は宝の山に変わるかもしれません。

また、CLTの工場からは、大量の木くずが出てきます。オーストリアKLH社の工場や岡山の銘建工業の工場では、既に木くずを使って木質バイオマス発電が行われています。そうすれば地域の電力も自給できるようになります。更には廃熱を利用しての地域暖房・給湯システムなども実現するでしょう。

このように、CLTが実用化されれば、複合的に「里山資本主義」実現に向けての方向性が加速されます。森林国家である日本は、そのメリットを最大限に発揮できるようになります。超えなければいけないハードルは多いのですが、私たちの世代で実現し、孫子の世代に豊かな世界を残していきたいものです。

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【告知1】来年5月24日(土)午後に第2回の「里山資本主義」の講演会が行
われます。講師は藻谷浩介さんです。主催は今回と同じく奈良NPOセンター
です。半年も先の話になりますが、ぜひ、今から日程をあけていただければ幸
いです。

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【告知2】第109回「中村てつじと話す会」(公開型)
日時:2013年12月1日(日)10時〜11時30分
場所:生駒南コミセン「せせらぎ」301号室
(今回は南コミセンです。お間違いないように)
奈良県生駒市小瀬町18番地(近鉄 南生駒駅徒歩3分)

テーマは「なぜ脱原発か?」です。

定例で生駒で第1週に行う話す会は8月から公開にいたしました。「後援会にいきなり入るのはちょっと…」と思っていらっしゃる御友人も連れて来ていただければと存じます。

公開型の今後の日程は、
1月12日(日)@生駒市コミセン(セイセイビル)
3月2日(日)@会場未定
です。いずれも10時からです。

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【告知3】「オイコスの会」シリーズ『現代を考える』第2回シンポジウム
日時:2013年12月1日(日)13時30分〜16時40分(受付13時15分〜)
定員:60名
参加費:3,000円
会場:京都府庁旧本館・正庁(京都市上京区下立売通新町西入)
(地下鉄)市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車徒歩10分
http://www.pref.kyoto.jp/access.html

第一部 講演 堀茂樹慶応義塾大学教授)
『同一性と差異 −レイシズムと反レイシズムの錯綜を解きほぐすー』
第二部 講演 岩本沙弓大阪経済大学客員教授
『為替介入 〜1ドル360円の幻影〜』
第三部 対談 堀茂樹氏&岩本沙弓
第四部 質疑応答
http://oikos2013.blog.fc2.com/

■参加申し込み方法■
(1)お名前(複数でお申し込みの場合は全員のお名前)
(2)ご住所
(3)連絡可能な電話番号
を明記の上、下記のアドレス宛にメールにてお申し込みをお願い致します。
jaquie@live.jp
「受付完了の方には、事務局より連絡を差し上げます」とのことです。私も参加しますが午前に生駒で「話す会」があるため開始時間ギリギリに会場入りします。

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【告知4】京都・国際シンポジウム「グローバル資本主義を超えて」
日時:2013年12月2日(月)10時〜17時30分(終了予定)
主催:京都大学レジリエンス研究ユニット
(ユニット長:京都大学教授藤井聡
後援:株式会社文藝春秋
参加費:2000円(昼食込)
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc

場所:国立京都国際会館京都市左京区宝ヶ池)
http://www.icckyoto.or.jp

登壇者

Emmanuel Todd(エマニュエル・トッド:人類学・歴史学者
1951年生まれ。フランスの人口学・歴史学・家族人類学者・経済学者。ケンブリッジ大学歴史学博士、パリ政治学院修了。現在、フランス国立人口学研究所に所属。人口統計による定量化と家族構造に基づく斬新な分析で知られる。2007年ユセフ・クルバージュとの共著『文明の接近』ではアラブ革命を予言。2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。

Ha‐Joon Chang(ハジュン・チャン:経済学者)
1963年生まれ。ソウル大学で経済学を学んだのち、英ケンブリッジ大学で博士号を取得。1990年よりケンブリッジ大学経済学部で開発経済学を教える。現在、同大学准教授。世界銀行アジア開発銀行国連貿易開発会議など多数の国際機関のコンサルタントを歴任。2005年、経済学の未開拓分野を切りひらいた者に与えられる「レオンチェフ賞」を、41歳の最年少で受賞し脚光を浴びる。

藤井聡京都大学大学院教授・レジリエンス研究ユニット長・内閣官房参与
1968年生まれ。京都大学で博士(工学)取得ののち、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、京都大学大学院助教授、東京工業大学大学院教授などを歴任。2009年より現職。2011年京都大学レジリエンス研究ユニット長、2012年12月より内閣官房参与。専門は国土計画等、公共政策に関する実践的人文社会科学全般。近著に「レジリエンス・ジャパン 日本強靭化宣言」、「強靭化の思想」など

中野剛志(評論家)
1971年生まれ。元京都大学大学院准教授。エディンバラ大学社会科学博士。イギリス民俗学会Nations and Nationalism Prize受賞。近著に「TPP 黒い条約」、「反・自由貿易論」、「日本防衛論グローバル・リスクと国民の選択」など。

柴山桂太(滋賀大学経済学部准教授)
1974年生まれ。京都大学経済学部卒業後、同大学人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。専門は経済思想、現代社会論。主な著書に「静かなる大恐慌」、「グローバル恐慌の真相(共著)」など。

■事前の参加お申し込み■
http://www.lhweb.jp/knt/is_kyoto/r_jp/index.html

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