「中東に派兵される!」武力行使の「新3要件」では歯止めがきかない

(再構築ビラ64号:2014/08/03発行)

武力行使の「新3要件」

 7月1日、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定がありました。武力行使の「新3要件」です。 簡単にまとめると、
(1)我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生 → これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、(2)他に適当な手段がない、(3)必要最小限度の実力を行使する、という3要件。
 公明党は「これで専守防衛は守られた」としていました。
しかし、7月14日の衆議院予算委員会では、安倍総理は中東のペルシャ湾・ホルムズ海峡で戦争中に行う機雷除去の必要性を力説しました。
エネルギーの供給が大きく脅かされる、日本経済は甚大な打撃を被る、「国の存立」の基盤は経済である、経済の基盤自体が脅かされる、という理由です。
これに対して、公明党幹部は「新3要件やこれまでの政府の答弁からすれば、日本周辺の事態しか対応できない。ホルムズ海峡の機雷除去は事実上できない」と言っています。

◇ 目的は米軍との一体化

 個別具体的な事例に新3要件を当てはめる権限は時の内閣にあります。
だから現内閣、安倍総理の主張に公明党も従うことになります。
安倍総理の本当の目的は、米軍との一体化です。政府はアメリカからの要請に対しては主体的に判断する、断ることもあると言っています。
しかし安全保障面では「日米地位協定」という条約により、米軍兵士が基地に入れば日本の警察は追えない、米軍の飛行機は日本上空なら自由に低い高度も飛べる、米軍関係者は日本の入管を通らずに自由に出入国ができる等、日本の主権は大きく制約されています。
日本を「アメリカの忠犬」かのように規定する日米地位協定。その改定さえ言い出せない日本国政府が、アメリカからの要請に対して主体的に判断するなんて絵に描いた餅です。
アメリカの意思は、米国から遠い地に米軍兵士を派遣する時には、日本にも派兵の負担を背負って欲しいということです。
 この日米関係の基本的なところを見ておかなければ、いつの間にかアメリカの世界戦略に巻き込まれていくことになりかねません

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以上がビラの中身です。こんなことを書いていると過激に思われるのか、「中村さんは反米ですか?」と聞かれることがあります。でも、私は親米です。
というよりも、一方が一方に隷属する関係をまともと思っている方がおかしい、と思っているだけです。
日本は、日本国民の生活を後回しにしてまでも、アメリカ経済とアメリカ合衆国財政を支えています。その我が国がアメリカと真の友人関係を築いていかなくては、世界にとっても良くないと思っているだけなのです。