止揚の議論が必要 リフレ派とMMT

私はリフレ派でもMMTでもありませんが、
両者がともに「反緊縮」で「消費税増税反対」にもかかわらず、
「反緊縮」同士で内輪もめしているのがとても残念です。

両者の議論は、いま、止揚(しよう)が必要です。

 

具体的に言いましょう。

デフレの状態なので、
リフレ派の経済政策が限界があるのは自明のことです。

いくら金融緩和をしても、マネーストックは増えません。

 

ちなみに、私はリフレ派に対して、
今の状況ではいくら金融緩和をしてもマネーストックは増えないので、
物価は上がりませんよと2013年の黒田総裁登場から申しておりましたが、
その声は聞いてもらえませんでした。

6年経って、リフレ政策の効果がでないことが実証されました。
そこで、今度はMMTの登場です。


私のことをMMTerと表してくださる方も出てきました。
そういう評価はうれしさ反面、
MMTerが鬼の首を取ったような表現をされているのにも、
私はちょっとちがうかな、という気持ちを持っています。

 

私がそう思う理由を端的に言えば、
インフレ期には金融政策が必要、
デフレ期には財政政策が必要、
ということです。

 

今の経済情勢でMMTの方が情勢がいいのは、
単に、今がデフレ期に居るからです。
もっとも、リフレ派の政策ではいつまで経ってもデフレから脱却できないので、
リフレ派に対するMMTの批判は的を射てるのでとてもリフレ派は痛いです。

 

しかし、MMTはMMTで金融政策を全面否定しています。

例えば、国債を否定しているのですが、
国債はインフレ期には絶大な信用収縮の機能を発揮します。

インフレ期には、財政政策だけでなく、
財政政策と金融政策を組み合わせる方が効果的なのは、
1+1=2みたいな話なので、誰もが理解できるはずです。

 

この点をMMTは純粋な理論的美しさを取ろうとするのですが、
残念ながら、インフレ局面においては、
弊害を取る手段は一つでも多い方がいいです。

そういう意味では、
両方の立場は、相反するものではなく、
状況によって使い分けなくてはいけないものだと言えます。

 

両方の立場を止揚(しよう)する議論が今こそ必要です。
こういう話をどこかで解説したいと思います。