利賀村訪問記(3) 感じる断熱の必要性

利賀村訪問記(3)は、報告ではなく、行ってみて感じたことを少し。

それは、雪国における「断熱」の必要性でした。


私は、民宿に泊まりました。奈良ではまだストーブやファンヒーターなどは出していませんが、富山県利賀村では、すでに部屋にストーブが。

石油ストーブが焚かれる部屋で、以前、長野県の飯田市で一緒に外断熱の運動をやっている人の話を聞いた時のことを思い出しました。


スウェーデン人の建築家を日本に呼んだ時、部屋の中の石油ストーブを見て、「なんて健康に悪い。野蛮な。」と言われてしまった」という話でした。


つまり、スウェーデンでは、断熱性能の高い家に住んでいるので、暖房は集中的なものを家に一つ置いていればよく、その熱源も屋外においてあるということでした。だから、部屋の中で、石油を焚くということは信じられないという評価になるということです。


囲炉裏(いろり)のある民宿では、換気という点から、建物の隙間から空気が入る必要があるので、高気密・高断熱の方が良くないのかも知れません。ただ、これだけ空調の入っている部屋で暮らすのが当たり前になると、客間では暖かい部屋にした方が良いようにも思えます。


【用語】ペアガラスと真空ガラス


断熱を考えるとき、忘れてはならないのが「窓」の断熱です。いくら壁の断熱を良くしても、窓が冷えてしまったら、せっかくの断熱材も台無しです。そこで、ドイツでもよく言われたのが、窓の性能でした。


ドイツでは、アルミのサッシはほとんど見ません。アルミは熱を通しやすく結露を起こすからです。ほとんどが、樹脂サッシや木製サッシでした。そして、窓ガラスは、「ペアガラス」です。

ペアガラスとは、窓を二枚張り合わせたガラスのことです。張り合わせた中には、断熱性能の高い気体が入っているそうです。当然、単板のガラスとは異なり、加工は工場でしなければなりませんが、ほとんど結露が起こらないのでとても快適です。


しかし、今あるサッシにはペアガラスは使えません。単板のガラスを使ったアルミサッシをペアガラスの樹脂サッシに交換するには、家一軒で100万円以上かかると言われています。

だから、「今あるサッシに入れられる断熱性能の高いガラスはないのか」ということで開発されたのが、「真空ガラス」というものだそうです。
http://shinku-glass.jp/

まだポピュラーにはなっていないようですが、自宅にこのガラスを入れた元同僚の話を、近日中に聞く機会がありそうなので、また報告いたします。