交通事故の遺族と企業(2)
11月25日の記述について、多くの方の意見をいただきました。ありがとうございました。誤解を招いた記述もあったようなので、あらためて追記をいたします。
この事件では、2点、触れておかなくてはならない点があります。
まず、この「大手運送会社」は、交通を企業活動の道具にしていながら、交通事故の任意保険に入っていませんでした。次に、今回のケースでは、民事事件としての示談が終わっていません。
任意保険に入っていない点について、会社側は「大規模ゆえ、事故数も多い。だから、任意保険の保険料相当額を社内で積み立てて、事故に備えている」とおっしゃっています。しかし、その理屈も、民事事件として示談も成立していない現実を見れば、余り説得力がありません。むしろ、かなり力を入れて訴訟の支援をしています。
会社が適切に交通事故に適切に対応する姿勢があれば、このケースでも、民事の示談は終わっていると思われます。
この事件の背景には、今日の大企業とそこに働く者との厳しい環境があると思います。この「大手運送会社」は、皆様がよくよくご存知の運送会社です。創業者の有名さからも非常に好ましいイメージを持たれている方も多いと思います。
このような運送業者の状態に対して、国として、行政として、取り組まなければならないのではないか、と問いただしたのが、2003年の衆議院予算委員会での質問でした。
http://tetsu-chan.com/katsudo/kokkai/gijiroku/030219.html
すなわち、
- 事故を起こした企業に対して、行政がきちんと監督をしているのかという点。
- 交通事故に対して、事故を起こした従業員だけでなく、会社に対しても刑事責任を問えるような法律の改正が必要なのではないかという点。
を尋ねたのでした。
「官から民へ」という流れは止めることができない大きな流れとなっている中で、あらためてその影の部分をなくしていく努力が求められると感じます。
コメント欄については、今後のサイトの運営方針として12月1日からクローズにさせていただきます。ありがとうございました。