【追記】ツイッターでのやり取りより


Manjo Shimaharaさん(@Manjo_Shima):現場の意見よりも、消費者、特に借り手の意見をお聞きするほうがよいと思いますよ。

中村:昨年5月27日NHKニュースウォッチ9の特集にも見られるように借り手には好評です。問題は供給物件が出てこないことです。


呉東建さん(@dongkun_oh):JTIが、あまり使われない理由は保証賃料が安いからじゃないでしょうか。

中村:不動産関係の人に伺えば「相続対策営業」で話題の家賃保証一括借り入れ業者と比べて低いという水準ではないようです。


久保久志さん(@kubohisashi):実質不動産業者が家賃の査定をすると家賃は低めに。「質の高い住宅」という認識が、業者、借り手とも低いし、貸し手も費用かけにくい。

中村:保証家賃の問題よりも供給物件が少なく競争の余地がない現状です。「定期借家」という概念が社会全体で共有されていないことも理由でしょう。


その後、さらにManjo Shimaharaさん(@Manjo_Shima)とやり取りをして、あらためて書く必要があると思ったのは、Shimaharaさんが仰る「借り手」=「ターゲット層である若年ファミリー一般」が置かれている状況でした。


2010/08/01のツイッターでも書いたように、住宅賃貸市場では、賃貸用住宅の空家は412万戸ありますが戸建ては26万戸しかありません。これに比べて、(多くは単身用と思われる)共同住宅の空家は359万戸もあります。(この辺りに、最近の家賃保証一括借り入れビジネスモデルの危険性が見て取れます。)

また、賃貸にも売買にも回っていない空家が5年で56万3500戸増え268万1100戸となっています。そのうち、特に注目すべきは戸建ての空家で、37万5800戸増え181万1900戸になっています。


つまり、現在、民間借家にお住まいの方1335万戸のうち、一戸建てにお住まいの方は174万戸で、賃貸に回っている空家は26万戸しかない、借り手が選べない状態だと言えます。

これに対して、現在は賃貸にも売買にも回っていない一戸建ての空家が181万戸もあります。この部分の空家が賃貸に回り供給物件が増えてはじめて、借り手は持ち家か賃貸かを比較検討できるようになります。


今現在の住宅市場の状況の下では、借り手に持ち家以外の選択肢はほとんどありません。この部分の市場の空白を埋める取り組みに、不動産業者の方が挑戦して頂ければ嬉しいです。