これから始まる日本と世界の変化。今日は「お金」の話


今朝、自宅で金環日食を観ました。
姉と姉の娘、両親の5人で、歴史的な姿を観ました。
今は、東京に向かっています。

今後、少しずつ、このブログで、これから日本と世界が直面する歴史的な大きな変化について書いていこうと思います。

「今後、私たちは何に思いを寄せないといけないか」というテーマです。


昨日の第85回「中村てつじと話す会」でも話しましたが、今年は、欧州発の金融危機が更に深刻な状況になります。

「またまた〜、中村さんは危機ばかりあおって。」と言われるかも知れませんが、統計的にみて間違いありません。準備をしない人はその人の御判断なので、自由になさったらいいのです。

ただ、準備をしたい人には、その方法を提供するのが私の役割だと思っているので、今後、そのための質問を受けていきたいと思います。


さて、想定質問の一つから答えていきましょう。

中村さんは「お金」がどうなると考えていらっしゃいますか?
変化はどのように現れると思っていますか?

と抽象的な質問がされたと仮にして、私なら、どう答えるか。お金は、人の暮らしに一番大きく関わるので、今回のテーマに選びました。


お金にまつわるルールは、1971年8月15日の「ニクソンショック」から変わりました。それまでは、戦後の「ブレトンウッズ体制」でした。ブレトンウッズ体制では、ドルのみが「金(きん)」と交換可能な通貨でした。それゆえ、ドルが国債基軸通貨として扱われました。

しかし、私が推測するに、特に日本がアメリカに対する黒字を減らさないでいたために、困ったアメリカは何とかして調整をしないといけなくなったので、アメリカはドルと金の交換を停止するという判断をするに到りました。

この辺りのことについては、詳しく過去にも書いたと思うので、割愛します。

大事なことは、「世界の通貨が、今の通貨ルールになって、まだ40年しか経っていない」という事実です。


1971年から始まった通貨の新秩序は、「不換紙幣」、つまり通貨が金と交換可能ではなくなり、特に国際収支との関係が重要になったという時代に入ったということです。

それでは、「お金」とはどういうものになったのでしょうか。

結論から言えば、金に代表される貴金属などの物質から切り離されて、完全に「国家そのものの信用」と連動する「決済手段」となったということです。

また、この「国家そのものの信用」は、あくまでも他の国との相対評価ということが重要です。


ニクソンショックまでは、「金」という物質が曲がりなりにも背景にあって通貨は発行されていました。しかし、不換紙幣が発行され、マネー(「お金」のことを以後こう呼びますね)と金が固定価格では交換されなくなり、マネーと金(きん)の交換も市場によることになりました。


「通貨が紙くずになる」という言葉をよく聞きませんか?

これが、どういうメカニズムで起きるのか、なかなか知られていないのではないでしょうか。この点で、「国家そのものの信用」については「国際収支」との関係が重要になります。カネを借りる時には、「どの通貨建てで借りるのか」ということが圧倒的に重要になります。


その国から買いたいモノが多い場合、その国の通貨は高くなる。
その国から買った国が多い場合、その国は貿易収支が黒字になる。

貿易収支の黒字の結果、(経常収支の黒字になり、)その分は、対外的な投資に回ることで全体の収支が合う。
(経常収支の黒字額=資本収支の赤字額という国際収支の定義)

資本収支の赤字=対外的な投資を行っているという定義です。経常収支の黒字国は、黒字の分を対外投資に回し続けている結果、対外的には資産国になって行きます。対外負債を対外資産が越えると、純債権国になります。

ちなみに、日本は、19年連続世界一の純債権国でした。
こういう国の通貨はなかなか安くなりません。

その理由はこういうことです。自国居住者が持つ対外資産が多いということは、円経済圏で生活している人の外貨建て資産が多いということです。外貨建て資産は、円に替える時に、外貨売り円買いになります。その結果、円高の方向に進みます。


日本の通貨「円」は、日本の国力が大きいことと、国民が一生懸命に働いて対外資産を積み上げてきたために、そう簡単には下落しない通貨になりました。
一般論として「通貨が紙くずになる」ということはありえますが、日本の場合には、なかなか難しく、他の国の通貨が紙くずになっても、順番として円が紙くずになるのは、最後になるだろうと思います。


書いているエディタで100行を越えました。ここまで読み返してみて、難しい言葉が並んでいるなあ、と思います。今日は、これぐらいにしておいて、また書き直し、書き足しをしていきたいと思います。