敗戦の日に思う これからの日本の役割
75年前の今日、日本は戦争に負けました。
軍部は間違った経済観の下で戦争を始めました。
当時の政治家は軍部を止められませんでした。
また、大蔵省や日本銀行は軍部の誤りを正せませんでした。
彼らは軍部の言いなりに戦費を調達しました。
日本の緊縮財政の伝統は、その反省から始まっています。
そして、その日本の緊縮財政の伝統は、
財務省が日本国民を信用していない裏返しです。
自国通貨建て国債の発行は問題がないと知られてしまうと
戦前のように戦費の調達に使われ、日本国民は戦争を選択し
「再び戦争の惨禍が起る」(日本国憲法前文)と彼らは思っています。
私が「お金のしくみ」を伝える活動を再開したのは、
このコロナ禍で世界一の純債権国・日本が、世界の中でどのような役割を果たさないといけないのかを、もう一度、皆さんと共有したいと心に決めたからでした。
第2次世界大戦は、ドイツと日本が戦争を始めました。
戦後、両国は戦争をしない国として生まれ変わり、経済大国となりました。
純債権国として、日本とドイツは世界第1位と第2位と肩を並べています。
しかし、1971年から始まった信用通貨の世界の中で、
「自国のことのみに専念して他国を無視」(日本国憲法前文)しているかのように、
日本とドイツが、
自分たちの持つ力を独占して世界に対して分け与えず、
自国のためのみに使っている現状は、
第2次世界大戦の戦前・戦後と何も変わりません。
信用通貨の世界では、
純債権国が自国通貨を発行して世界中に支援をし、
世界経済を回していかないと、
世界経済が悪くなったとき、
その影響は対外収支の赤字国、対外純負債国を直撃します。
ドイツはドイツの国益を優先するあまり、
ユーロをドイツの国益を最大限に発揮する通貨にしてしまいました。
ドイツは、通貨としてのユーロの価値を維持しつつ、
ドイツの通貨としては割安になるようにユーロを設計しました。
そのドイツのずる賢さ、
ユーロに秘められたねらいはあまり報道されません。
いま、日本がすべきことは、「財政破綻論の誤り」を自覚し、
積極的に日本円を世の中に出すために国債を発行し、
日本国内外に日本の「円」を行き渡らせ、
日本と世界の経済を回復させることです。
それは、ドイツと違って、
自国の判断で自国通貨を発行できる日本だからこそできることです。
8年前に書いたように、
国債を発行すると、世の中に流通するお金の量が増えます。
「国債を発行すると相当額の預金が増えるのはなぜか」
https://tezj.hatenablog.jp/entry/20120803/p1
しかし、このコロナ禍では、お金が増えても決済には使われずに多くは貯金に回ります。インフレにはなりません。
また7年前に書いたように、
国債は政府の借金というよりも通貨の代替物です。
「国債とは何か」
https://tezj.hatenablog.jp/entries/2013/10/13
だから、日本が世界のために財政を拡大しても、日本の財政は破綻しません。
以上述べた話は、未だ世の中では理解されていません。
引き続き、取り組んで参ります。
【告知】
明後日8月17日(月)午後9時~10時
「お金のしくみ」第9回オンライン勉強会を行います。
質問が続けば最長30分延長します。
なぜ自国通貨建て国債は問題なく発行できるのか、
基本的なところから皆さんと一緒に考えます。
https://us02web.zoom.us/j/89597799504?pwd=SU5URHNicklxajNDNWJ3QzJZRU1nZz09