中村てつじ「日本再構築」ブログ

中村てつじが詳しく説明いたします!! 日常活動のブログと分けました!

オスプレイは佐賀空港にやってくるか?!

政府は佐賀空港自衛隊オスプレイ配備したいと表明しています。
一昨日、佐賀県が一定の見解を表明しました。

オスプレイ計画を一定評価 県、論点整理素案を公表「漁協理解なければ困難」(佐賀新聞 2017年05月31日)
http://www.saga-s.co.jp/column/osprey/21601/433901

私もよく賛成か反対かを訪ねられます。
昨年の参院選の時から、私は賛成や反対を言う以前の問題だと申しております。政府はオスプレイ島嶼防衛に使用すると言っています。しかし、制空権が自国にある場合には、オスプレイでの輸送は必要ないですし、制空権を他国に握られている場合には、オスプレイは撃ち落とされます。

一機200億円のオスプレイをなぜ買わなくてはならないのでしょうか。
私には、よく理解できません。
防衛上の必要性はありません。
それよりも、戦闘機であるF35を早期に整備した方がいいと思います。

つまり、オスプレイを買う本当の目的は、アメリカから武器を買うことそのものにあるのだと思います。

また、アメリカ側にとっては自衛隊オスプレイ配備アメリカの国益にプラスになるという面もあります。改正された日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインでは、日本の自衛隊はアメリカ軍と一体となって行動することになりました。佐賀空港自衛隊オスプレイ配備されると、アメリカが佐賀空港を使いたいということになった場合、日本側が拒めるような約束はありません。

佐賀新聞も解説で今回行われた県の評価が「計画受け入れの議論を促す可能性もある」と述べています。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/433900
一人の県民として、私ももう少し突っ込んだ分析が欲しいと感じました。

2017中村てつじサポーターへの御協力感謝

2017中村てつじサポーターへの御協力をいただき、ありがとうございました。
無事に目標数を達成することができました。感謝を申し上げます。
引き続き、御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

第23回「個人消費を増やす方法」若年層への住宅手当創設を

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」

2017年(平成29年)5月25日(木曜日)号

第23回「個人消費を増やす方法」 若年層への住宅手当創設を

 

【若年層への住宅手当】

 前号の感想をいただいた。個人消費が増えると景気が良くなるとして、次にどうやったら個人消費を増やすことができるのだろうかという質問をいただいた。前向きの質問をいただいて、とても嬉しかった。そこで今号からはどうすれば個人消費が増えるのか、具体的な政策を示していきたい。

 日本経済の6割は個人消費が占めている。個人消費を増やせば、お金の流れ方はプラスに変わる。また、個人消費が伸びていけば設備投資も増えていくので、個人消費の伸びは経済全体を引っ張る。

 そこで、第一に最大の政策として実行すべきは、若年層への住宅手当である。18歳から30歳までの若年層に、例えば月2万円、年24万円を給付する。人口統計によれば、対象になるのは1500万人、必要予算額は3.6兆円になる。財源不足を心配する人もいるかもしれない。

 しかし、その心配は全くない。

 前回述べたように、黒田東彦日銀総裁が2013年に就任して4年間の間に、黒田総裁は日本銀行が発行しているお金の総量「マネタリーベース」を134兆円から436兆円へと302兆円も増やした。4年間で3.25倍である。しかし、日銀が笛を吹いても銀行は踊らなかった。収益率が高くない企業には銀行はそもそも貸せないのである。

 その結果、銀行貸し出しは思ったようには増えず、民間に流通するお金の総量「マネーストック(M3)」は1141兆円から1286兆円へと145兆円しか増えていない。日銀がマネタリーベースを増やした量の48%にすぎない。

 もっとも、見方を変えれば、この4年で年間平均36.5兆円、年率平均3%以上も民間へのマネーの供給が増えたとも言えるが、このかなりの部分は新規国債の発行とそれに伴う国家財政の支出増によりもたらされている。また、この程度しか増えないのであれば増えた分のマネーは投資家や企業の内部留保に吸い上げられるだけで、一般国民にまでは届かない。その結果、一般国民の消費は増えず、物価上昇率は2%どころか1%も上昇していない。

 この点、一般国民の消費を増やすためには、投資家や企業の内部留保に吸い上げられているお金を徴税によって取り戻し、一般国民に再分配すべきという主張がある。私はその論を否定するものではないが、経済的に力を持っている富裕層や大手企業を狙い撃ちするわけなので、実際には大きな抵抗が予想される。経済へのマイナスの影響が強いと彼らは反論し、マスコミも動かすだろう。実現するには相当の大きな支持が一般国民からなければ難しい。

 それならば、もう一つの方法を考えてみよう。再分配は、吸い上げられている構造について一般国民が十分に理解をしてからでも遅くはない。

 もう一つの方法とは、マネーの供給面に目を向ける方法である。経済規模に対してマネーが十分には増えていない日本経済では、現状、マネーが年率3%増えても物価上昇率は0%を少し上回る程度である。この物価上昇率を1%~2%に上げるためには、毎年増えるマネーの量を倍増させなければならない。つまり、貸し出しが思ったように増えない現状では、マネーの供給を増やす方法は、財政を拡張させて国債をより多く発行するしか方法がない。

 現状の倍のマネーを供給するためには、近年の国債発行量に加えて年間平均36.5兆円の国債を追加して発行しなくてはならないという仮説になる。もっとも、実際には、国債を現状よりも多く発行して経済対策をすれば、景気が良くなり、設備投資の需要も増え、銀行の貸し出しが増えるだろう。その分を仮に半分と見積もっても、年間18兆円程度は今までよりも多く国債を発行しても問題がない。インフレが起きれば、金融政策によりマネーを回収するとともに、その時点で財政を緊縮させれば良いだけである。

 そのため、若年層への住宅手当のためにわずか3.6兆円の国債を追加して発行してもデフレ脱却にプラスになることはあっても、経済や子どもたちの将来にマイナスに作用することはない。

【若年層住宅手当の効果】

 もし、2万円の住宅手当が実現できればどうなるだろうか。

 対象は、全ての若年層だ。社会人でも学生でも、どんな職業に就いていても区別されずに給付される。特に重要なのは、定職に就いていない若年層にも給付を行うという点である。人口統計を見れば、今の43歳、202万人をピークにして親になりうる世代の人口は減り続ける。いま29歳は135万人、18歳は123万人である。これから、この年齢層が結婚して子どもを持つ世代になる。

 日本社会の一番の弱点は人口減だ。それも、これから親になる年齢層の人口が減っていく我が国においては、この年代層に経済的な理由によって恋愛もできない、結婚もできないという状況を打破しなければならない。そのための経済政策が必要だ。

 ローコスト住宅を作っている工務店の社長から、低所得のために住宅ローンが組めない、いわゆるローンアウトのカップルがかわいそうだというお話を伺った。けっきょく、このようなカップルは低品質の賃貸住宅に住まざるを得ず、社会の格差はどんどん開いていくと憤っておられた。

 2万円の住宅手当はカップル二人で4万円になる。前回までの連載で述べたように住宅ローンの金利はこれからも上がらない。昔に比べて、いま生産される住宅は、耐震においても断熱においても非常に性能が上がっている。4万円のかさ上げで、いまローンアウトで賃貸にしか住めない20代のカップルが、住宅ローンを組んで家を建て、快適なすまいに住めるようになる。そうなれば、結婚する若者も増え、子どもも増えていく。子どもは一番消費をする年齢層なので、経済はプラスに向かう。

 いまローンアウトで困っているようなカップルに住宅ローンを組ませることは倫理的に問題だと指摘する声はあるかもしれない。しかし、問題は中古住宅の流通のしくみを変えることで解決できる。いま作られる住宅は、住宅履歴やインスペクションや瑕疵保険など、少し工夫をすれば中古として流通する経済的価値が非常に高くなる。賃貸でも売買でも、高い経済的価値を維持できるようになる。

 いまの賃貸住宅市場で注目すべきは、一戸建ての高性能賃貸住宅が不足している点である。家族が増えた時にもう少し広い家に住みたいと思うようになって、一戸建ての賃貸を求めようとしても全く足りていない。必要な需要に供給が追いついていない現状だ。あっても、築30年といったような古くて住みにくいものばかりである。

 カップルで月4万円の住宅手当があれば、一番大変なローン初期の支払いを乗り越えることができる。だから、そもそも住宅ローンが払えないという状況そのものが起こりにくい。たとえ住宅ローンが払えないという状況が起こったとしても、問題は起こらない。築浅の一戸建て住宅は賃貸物件としても人気の物件になるので、確実な利回りが期待でき投資家からのニーズは高くなる。つまり、若いカップルが住宅ローンの支払いをできなくなって建てた家を手放すことになっても、残ローンは少ない、むしろ、多少なりともお金が戻ってくるという状況になる。

 20代が良質な家に住むようになると、全世代に対して良い影響が伝わって行く。まず住宅関係の産業には需要が増え、全世代、全業種で仕事が増えるという好循環が生まれる。特に、職人の高齢化が問題になっている住宅産業にとっては、賃金・工賃が確保できる状況になる。もっとも職人の育成については特別の対策が必要ではあるが、工賃が下がらない、むしろ上がっていくという現象が生まれてくるため、職人をめざす人たちも増やしていける。

 戸建ての家に住めるようになれば、子どもたちの学習環境も良くなる。21世紀の国家は人材を育成して世界と対峙していかなくてはならない。いかにして人材の底上げと高度人材の育成を実現するのかに尽きる。住宅手当はこの点でも国益にかなう。

 このように、住宅手当の支給は日本の経済問題を全ての分野で大きく改善する方法になる。次回以降は、個人消費を増やして行くその他の方法について述べることにしよう。

 

 

第22回「住宅ローン金利の行方」物価上昇率超えぬ水準で

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」

2017年(平成29年)4月27日(木曜日)号

第22回「住宅ローン金利の行方」物価上昇率超えぬ水準で
 

【金融政策と連動】

 住宅ローンの金利日本銀行の金融政策により影響をうける。特に「固定金利」の住宅ローンは「長期金利」と呼ばれる償還まで10年の国債金利と連動している。住宅ローンについては第17回で触れたが、今回は金利そのもののしくみに焦点を当てて住宅ローン金利の見通しを論じてみたい。

 黒田東彦日銀総裁になって丸4年が経ち、日本銀行が発行するお金の総量「マネタリーベース」は134兆円から436兆円へと302兆円増えた。しかし、民間に流通するお金の総量「マネーストック(M3)」は1141兆円から1286兆円へと145兆円しか増えていない。経済学の通説では日銀が発行するお金を増やすとそれを元手にして銀行がお金を作り出し、日銀が増やしたお金の数倍の量のお金が民間に流れるという説明がされてきた。しかし、現実には日銀が発行したお金は銀行で止まり、半分も民間には流れていない。

 通説も見直しを迫られている。このような場合にはまず基本に戻ろう。金利はどのように決まるのか。

金利の理論値】

 仮に1年後に返してもらう場合に何%の利息をつけて貸せば損をしないだろうか。この点、金利の理論値は予想インフレ率+信用リスクで決まると言われている。予想インフレ率とは、今後の物価上昇率のみこみである。

 仮に、これから1年間で物価が2%上昇するとみこまれる場合を考えてみよう。貸す側は少なくとも2%の利息は欲しいと考えるだろう。なぜならば、利息が2%なければ人にお金を貸すよりも、いま物を買う方が得だからである。いまでも1年後でも同じ価値の物が買えるには2%の利息をもらわなければ同じにならない。だから、物価上昇率のみこみは金利を決める第一の基準になる。

 次に、借り手の信用リスクが加わる。AさんとBさんではお金を返してもらえる可能性は違う。だから、AさんとBさんとでは借りる時の利息も違ってくる。但し、政府が自国通貨建てで借りる場合には返せないことはあり得ない。信用リスクはゼロとして計算される。

 以上から、国債の場合、金利の理論値は予想インフレ率と等しくなる。

【金融政策で決まる金利

 しかし、実際には、国債の市場金利は、日本銀行の金融政策に引きずられて理論値からズレる。もし、物価上昇率2%を中長期的に達成できると市場が判断すれば、金利も2%以上になるはずである。しかし、今は日本銀行の金融政策により、国債金利はゼロ%辺りに誘導されていて、物価上昇率との関係は切り離されている。むしろ物価上昇率が2%になるまで金利は低い水準にとどめると日銀は約束している。

 なぜ、日銀が金利を低めに誘導しているのかといえば、金利を低めにすることによって消費や投資を増やそうとしているからである。

 まず消費について見てみよう。物価上昇率が1%ぐらいと予想できる場合には、ゼロ%辺りの国債や預金でお金を運用して1年後に物を買うよりも、いま買う方が実質的に安く買える。だから日銀が金利を抑えることで社会全体の消費が増え、需給バランスも需要が増える方向に向かう。そのことで、さらに物価が上昇するという流れに誘導しようというのが日銀の狙いである。

 次に投資について見てみよう。消費が増え、物価が上昇していく局面では、早めの投資を行えば、消費が増えることに合わせて供給を増やし企業収益を増やすことができる。金利が下がれば投資にも踏み切りやすくなる。このように、金利が低くなれば投資は増えるという考え方がとられている。

【欠けていた視点】

 しかし、実際には日銀が狙った通りにはなっていない。金利がいくら下がっても賃金が増えていないため消費が増えないからである。自分は物を買わないし物価も上がらないと実感している人を基準にすれば、予想インフレ率は上がらない。また人為的に金利が下げられると利息収入はむしろ減る。可処分所得が増えない中で、物価だけが上昇すると消費は伸びるどころか停滞する。だからデフレ基調から抜け出せない。

 また、金利が下がれば投資が増えるという仮定も、あくまでも消費が増えていることが前提になる。消費が増えるという見通しがつかなければ投資をしても回収できない。

 つまり、消費を増やす政策を打たなければいくら金融緩和をしても効果はない。日銀の佐藤健裕審議委員が米国エール大学での講演で「労働市場改革が重要」「金融政策単独での効果に限界がある」(3月29日日経新聞電子版)と述べているのは、予想インフレ率を上げるためには賃金を上げて消費を増やすことが必要だと認めているからに他ならない。

 それならば、どうすれば賃金は上がるのか。

 いま地域の経営者から聞く声は、人材不足だという声だ。労働力は逼迫している。市場原理によれば賃金は上がるはずである。しかし、現実には上がらない。それは、企業収益が上がらないからだ。貸し渋りを経験した日本の企業は内部留保を厚くしなければ企業を存続できないと考えている。つまり、中小企業の収益がさらに上がらない限り、日本の労働市場では賃金は上がらない構造になっている。

 だからこそ、まずは企業収益を上げる必要があり、それには消費を増やす必要があり、それには可処分所得を増やす必要がある。可処分所得を増やす方法として先に賃金を上げる方法がとれない以上、国民の負担を減らし国民が自由に使えるお金を増やすこと、つまり、社会保険料の軽減や消費税の減税が必要不可欠の経済政策になる。これが論理的な帰結だ。

金利は上がるのか】

 黒田総裁の立場に否定的な学者の中からは、そのうち長期金利は上がらざるをえないという見方も示されている。現在日銀は年間80兆円規模で国債を買っているが、もう間もなく市場に国債が出回らなくなり人為的に下げている長期金利も上がって来るという主張である。

 しかし、理論的に考えれば、そう簡単には金利は上がらない。市場に国債が出回っていなければいないほど、少し国債を買増しするだけで国債の価格は上がる。つまり、国債金利を下げることができる。日本銀行ならば原資となる日本円はいくらでも発行することができる。このように、市場から国債がなくなるので金利が上がるという主張には根拠がない。

 さらに言えば、今までは日銀当座預金に利息が付いているから銀行は日銀に国債を売ってきた。前回述べたように、銀行にとって国債は私たち民間人の定期預金のようなもので、できれば利息のつかない日銀当座預金よりも国債を持ちたい。現状では日銀当座預金のうち210兆円にはプラス0・1%の金利がつけられていて、日銀当座預金にお金を預けていても銀行は損をしない。仮に国債の価格が暴落=金利が上昇するような局面になった場合には、日本銀行は自ら国債を買い増す他に、日銀当座預金につけている金利をゼロにすればよい。銀行は日銀当座預金を手放すために国債を買い、速やかに国債市場から国債はなくなり市場金利は下がる。

【出口はどこにあるか】

 これまで述べてきたように、住宅ローン金利が今のような史上最低レベルの水準から抜け出して行くには、日銀が利上げに転じる物価上昇率2%を達成することが最低条件になる。しかし、日本銀行は昨年11月に物価上昇率2%の達成時期を2018年度ごろとした。5回目の延期だった。もうすでに残り1年半~2年しかない。公表されている直近のデータを見ても、物価が上がるような気配はない。財政が大幅に拡大されない限り、物価上昇率が2%になるような消費増はみこめない。

 結論に入ろう。財政政策が現状の緊縮路線をとる限り十年単位で金利は上がらない。もし財政拡張政策に転じられた場合には労働市場に資金が流れ賃金も上がり、結果として物価も上がることになるだろう。しかしあくまでも財政の拡張が原因なので、金融を大胆に引き締めないといけないほどの物価上昇に進むことは難しく、結局、物価上昇率を超える金利にはなりにくい。結果として住宅購入者が払える範囲内での変動金利になる。だから現時点では安心料として固定金利を選ぶ人でなければ住宅ローンは変動金利を選ぶ方がベターだと考える。

認知症サポーター養成講座を受けました


先週の日曜日、認知症に関わる地域の人たちが集まる座談会に参加いたしました。
在宅療養の会「在宅ネットさが」で告知されていました。
今回は第1回で「認知症サポーター養成講座」が開かれていました。


地域包括支援センターの職員さんが、認知症について教えて下さいました。
奈良に居る時に「バリデーション」という認知症の方に接する方法を教えていただいたことがあります。
興味深く、また共感をしながら拝聴しました。


認知症はボケでも何でもなく、今までできていたことができなくなるという機能障害です。
その結果、起こることは本人が一番気づき傷ついていることだと教えていただきました。


最近、私は、正しさよりも人の感情に興味が向いています。
私は今まで正しいことを実行することを基準にして生きてきましたが、
ある人にとって正しいことはある人にとっては正しくないこともあります。
そこで立場を越えられるのは人間性、その人の感情に寄り添えるかどうかということだと感じています。


認知症の人への対応は、まさにその人の感情に寄り添えているかどうかが問われることになります。
極めて専門的で繊細な感覚がいります。
介護職の皆様に求められていることの重さを実感しました。


また介護職の皆さんがおかれている状況についても伺いました。
私は民主党政権時代に介護職の待遇改善に取り組んできましたし、
昨年の参議院選挙でも介護職の皆さんの待遇改善こそが経済政策になると訴えました。
だから、自分たちの取り組んできたことの価値を再確認できました。
自信をもって訴えていかないといけないと思いました。


これからもいろいろな現場に入っていきたいと思います。
お声がけ下さい。よろしくお願いいたします。

第21回「黒田日銀総裁の失敗」銀行で滞留する緩和マネー

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」
2017年(平成29年)3月30日(木曜日)号
第21回「黒田日銀総裁の失敗」 銀行で滞留する緩和マネー

 

【黒田総裁の失敗】

 今回は昨年末にお約束をした日銀が失敗した理由について述べたい。思い返せば四年前の春だった。日本銀行黒田東彦(くろだ・はるひこ)総裁は就任記者会見で二年内に物価上昇率を二%以上にすると宣言した。マスコミも沸いた。本来の目的は物価が上がるぐらいに経済をよくするという意味だ。しかし、実際はどうだったか。現在では経済をよくするという目的は忘れられ、物価上昇率そのものが目的だったかのように扱われている。

 「異次元緩和」と呼ばれた黒田総裁の金融政策は、昨年二月から「マイナス金利」まで加わって四年間突っ走ってきたが、効果は実感されていない。結局、昨年の十一月に黒田総裁は事実上の敗北宣言をされた。どうしてこうなってしまったのだろう。黒田総裁はなぜ失敗したのか、今回はその理由をお伝えしたい。

日本銀行の目的は?】

 そもそも日本銀行は何の目的で作られたのだろう。なぜお札は「日本銀行券」であり「政府紙幣」ではないのだろうか。

 明治時代の初めには日本銀行はなかった。だから「日本銀行券」も世の中にはなかった。お金とは政府が直接国民に発行する「政府紙幣」だった。ただ、江戸時代末期から藩札という紙幣が世の中にあふれていて、紙幣の信用が低いことは国家的な問題だった。お金の信用が低ければ国民は使わない。国の経済は回らない。国民は豊かさを実感することもできない。だから、明治政府は何とかして円の価値を高めようとした。

 特に大きなきっかけになったのは1877年の西南戦争だった。歴史的には日本最後にして最大級の内乱である。この内乱を抑えるための戦費を政府は政府紙幣の増発でまかなった。膨大な政府紙幣が流通するようになり、ひどいインフレになった。翌年のコメの値段は倍になり、同じ円でも紙幣と銀貨では価値が大きく違ってしまうという現象まで起きた。

 現代の財務大臣にあたる大蔵卿に松方正義が就任し、国家財政を緊縮させた。生み出した財源を使って政府紙幣を減らした。この後、1882年になって日本銀行が設立された。つまり、日本銀行が設立された目的は、通貨の価値を高めて物価の上昇を抑えることだった。

国債は定期預金】

 さて、私たちが銀行に普通預金や定期預金の形でお金を預けているように、実は、銀行は日本銀行にお金を預けている。日銀が「銀行の銀行」と呼ばれているゆえんだ。

 例えば「日銀当座預金」は銀行にとっては私たちの普通預金のようなもので、私たちが普通預金を銀行引落や銀行振込などで支払いに使うように、銀行は日銀当座預金を他の銀行に対する支払いに使う。基本的には利息はつかない。

 また「国債」は銀行にとっては私たちの定期預金のようなもので、満期になるまで毎年利息を受け取れる。だから、余ったお金があったら、基本的に銀行は「日銀当座預金」に入れないで「国債」を買うことになる。

つまり、銀行にとっては

・「日銀当座預金」=普通預金

・「国債」=定期預金

であり、その視点から黒田総裁の金融政策を見れば分かりやすい。

 ちなみに、基本的には国債は定期預金のようなものだが、少し違うところがある。国債は定期預金と同様に①満期がある②固定金利であるという2点は共通しているが③債券である点が違う。実は、この特徴があるから、日本銀行は物価を抑えることができる。詳しく言えば、日銀が持っている国債を市場で売ると市場からお金が日銀に戻ってくる。お金が流通する量を減らすとお金の価値が上がる。その結果、お金の価値が上がるので不必要な消費が抑えられ物価が落ち着いていくことになるわけである。

 そのメカニズムの真ん中に国債がある。

 国債は固定金利の債券なので、市場の金利の変動によって価値が変動する。金利が上がれば価値は下がるし、金利が下がれば価値は上がる。日本銀行国債を売ったり買ったりすることで市場に流通するお金の量をコントロールし、金利を上げたり下げたりすることができる。

 例えば1%の金利で満期まで10年ものの100万円の国債があるとしよう。満期まで残り9年の時点で市場金利が2%に上がっていたとしたら、その国債はいくらで買えばいいのだろう。100万円で買ってしまうと買った人は差の1%の金利分を毎年損することになってしまう。だから100万円から1%×9年分=9万円を引いて売買価格は91万円になる。このようにして、金利が上がれば国債の価値は下がり、金利が下がれば国債の価値は上がるというしくみになっている。

 国債がこのような機能をもっているため、日銀は国債を市場で売ることにより自らが発行するお金の価値を上げることができる。

【黒田総裁の失敗】

 黒田総裁は、日銀はお金の価値を上げることができるのだから、市場に流すお金の量を増やすとお金の価値を下げることができると単純に考えたのだろう。しかし、金融市場にお金を流しても、そのお金は銀行で滞留して民間には流れてこなかった。結果として、お金の量は増えずお金の価値も下げられなかった。

 結局、黒田総裁が四年間でやったことは銀行の持っている国債をかなり強引に買い取って日本銀行当座預金として預けさせただけである。皆さんの家計でたとえるなら、銀行が普通預金の利息を引き上げて定期預金を普通預金に預け替えするように奨励したようなものだ。

 黒田総裁は、お金が定期預金に入っていれば使いにくいから、普通預金に預け替えてもらったらお金は使ってもらえるという発想をしたのだろう。でも実際に起こったことは想定とは違った。日銀当座預金に預けられたお金は動かず民間にお金は流れていかなかった。

【お金の機能と国債

 なぜお金は流れていかなかったのだろう。

 民間にお金を流すには、この連載で伝えてきたように①銀行が民間にお金を貸すか、②政府が国債を発行して銀行からお金を得て予算の執行を通して民間にお金を流すかしか方法がない。日本銀行は、金融緩和により銀行にお金をたくさん持たせれば、銀行も民間にお金を貸すようになるだろうと考えた。しかし、銀行にしてみれば貸し倒れのリスクと得られる金利の低さを比べると、なかなか積極的には民間にお金を貸せなかった。

 前述のように銀行としては日銀当座預金に預けるよりも国債として持っていた方が基本的に儲かる。そこで黒田総裁は、奇策を打ち続けてきた。

 第一段階は、2015年末までは新規で日銀当座預金に銀行がお金を預ければ金利を0.1%つけてきたことである。従来、日銀当座預金は「当座預金」という名の通り、金利はゼロだった。銀行は金利ゼロの日銀当座預金にはお金を預けたくなかった。そこで、日銀は金利を0.1%つけ、かつ高値で国債を買い取ることで日銀当座預金の残高を増やしていった。

 第二段階が、2016年2月から始まったマイナス金利政策である。マイナス金利で銀行が損をする分についても日銀が国債を買い取る際にその分を上乗せする形で買い更に日銀当座預金の残高を増やしていった。

 ここでポイントは、日銀当座預金に課されるマイナス金利の部分が大きくなると銀行の収益が圧迫されるので銀行の貸し出し余力がなくなり、かえって銀行から民間への貸し出しが抑えられる可能性が出てくることである。それでは本末転倒なので、日銀はマイナス金利の部分が大きくなると、マイナス金利の範囲を見直してゼロ金利が適応されるようにしている。また、2015年末までの日銀当座預金についてはプラス0.1%の金利はつけ続けている。

 黒田総裁がこの4年間で行ってきたことは、この二段階の奇策に過ぎず、結局は、銀行が日銀に預けているお金を定期預金から普通預金に付け替えさせているようなもので、銀行から民間にお金を流すことについてはほとんど何もできていない。

【解決策は財政の拡大】

 解決策は原点に戻ればいい。日銀が創設された目的は財政の拡大に歯止めをかけて物価を抑えることだった。だからデフレの状況では物価の上昇が見られるまでは経済対策として財政を拡大すればいい。結論は単純だが従来の通説と異なる。(インテリ層からはかえって理解をえられにくいのが今の私の悩みである。)

第20回「空家対策が本格化へ」住み替え支援カギに活性化

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」

2017年(平成29年)2月23日(木曜日)号

第20回「空家対策が本格化へ」住み替え支援カギに活性化

 

空家対策と既存住宅の流通促進

 今年は、住宅産業にとって新しい動きがでてきそうだ。特に、今年は空家対策をきっかけにして既存住宅の売買や賃貸、空家を取り壊した後の土地の売買が進んでいく動きがでてくるのではないかと注目している。というのも各市町村では昨年行われた空家調査が終わり、この三月議会で空家対策に向けた基本計画が策定され、四月からは各市町村で取り組みが始まることになるからだ。

 ただ現状には問題がある。市町村行政の関心は「特定空家」、すなわち状態が悪く打ち壊しの対象になるような空家への対策にとどまり、一般的な空家を流通させて「特定空家」にならないような対策を取るべきだという姿勢にまでなっていない可能性が高い。空家対策を実効的にしていくためには、地域の不動産業者・工務店(建築業者)・金融機関(銀行・信用金庫)などの民間事業者が協働して連携体制を作っていく必要がある。市町村行政には一歩踏み込んで民間事業者の連携体制作りに取り組んでいただきたいと思う。

民間事業者の連携体制づくり

 空家はなぜ空家になったのだろうか。大きな家が空家になるには、①子どもたちが独立して夫婦二人での生活になった→②どちらかが亡くなって一人の生活になった→③二人ともなくなって空家になり管理する人がいなくなった、という三段階が通常の流れになろう。

 そうすると、夫婦二人かどちらか一人の①②の段階では未だ住宅を管理する人がいたものが、両方が亡くなった③の段階になると管理する人がいなくなり空家になってしまうということが分かる。相続人である子どもが遠隔地に居る場合には、手を打つことが難しくなる。つまり、①②の段階で対策を取ることが本当の意味での空家対策になるという常識的な結論になるのだが、ここが難しい。所有者である御夫婦にとっては自分たちが亡くなった後の話なので積極的に空家対策をしなくてはいけないという気持ちにはなりにくい。だからこそ、今日まで空家対策が十分には進んで来なかった理由がある。

 空家対策をするには、①や②の段階で、所有者である御夫婦が積極的に住みかえをしようという気持ちになるしくみを作るしかない。住みかえた方がより豊かで気持ちがいい生活が送れると思っていただけるような環境を提供することが事業者の使命になる。

 今号では、そのための方法として、二つの方法を検証してみたい。一つはサービス付き高齢者住宅、もう一つは移住・住みかえ支援機構による家賃保証である。

サービス付き高齢者住宅

 「サービス付き高齢者住宅」(以下「サ高住」と略)は民主党政権時に成立した高齢者居住安定確保法に基づくしくみであり自民党政権に戻った後も継続されている。一般的な介護施設とは異なり、住宅型であるサ高住は自宅として自由に過ごすことができ、介護サービスを利用する場合には自分が選んだ在宅介護サービスを自宅にいながら医療者や介護者に訪問してもらうという形をとる。自宅にいる自由さと共に必要に応じて介護サービスを兼ね備えている。またサ高住は新しいしくみなので建築される建物も新しい建物になる。光熱水費を抑えるためにも、いま普及しつつある高気密・高断熱住宅として建築されれば、古い住宅に住むよりも快適になる。

 つまり、広い家に夫婦二人ないし一人で住むことよりも、自由・安心・快適に過ごせる環境を得ることができる。このようなメリットが理解されるようになれば、空家になる前に住みかえが起こり、空いた自宅を別の形で活用しやすくなる。

 サ高住のメリットは、供給者側の土地の所有者や建築会社にもある。

 土地の所有者には相続税が安くなるというメリットや安定した収入が入ってくるというメリットがある。人口が減る中で一般賃貸住宅はこれから空室率が高くなると予想される。しかし現状でも全く足りていないサ高住は、これから高齢化が進みますます必要になってくる。温度変化に敏感なお年寄りにとって、冬温かく夏涼しい高気密・高断熱のサ高住に住む需要は増えることはあっても減ることはない。

 建築会社には、一般の注文住宅と異なり仕様も設備も規格化された一般的なものでいいというメリットがある。画一的な間取りや一括購入の部材によりコストダウンもできる。建築会社が所有者から一括借入をして入居者を直接募集したり併設する介護事業者を選んだりすることもでき収益源を増やすことができる。建築資金を融資する銀行にとっても、収入が安定するサ高住は融資先として魅力的になる。

JTIの家賃保証

 次に住みかえをした後の自宅をどのように活用するのかということを考えてみたい。子どもが地元から離れている場合、自宅を将来子どもが引き継ぐことを願い、すぐに自宅を手放すことに踏み切れない人も多いだろう。ただ、サ高住に入るにしても費用がかかり年金だけでは必要な家賃や生活費を賄うのに精一杯でお小遣いもないことになる。やはり賃貸に出すのが一番の選択肢になりそうだ。そこで公的に用意されているしくみが「移住・住みかえ支援機構」(以下「JTI」と略)の家賃保証である。

 所有者はJTIと三年の定期借家契約を結ぶ。この定期借家契約は三年ごとに再契約される。つまり所有者側は終身まで預けて安定収入を確保することもできるし望めば三年の契約満了で自宅は戻ってくる。また借主側から見れば供給が少ない一戸建て賃貸住宅に住むことができ、また定期借家契約になるので家賃も割安になる。

 JTIのしくみが特徴的なのは所有者に対する家賃保証が用意されている点である。所有者としては、終身の期間、収入が変わらないので安心してサ高住に入居するなどのライフプランを立てることができるわけである。

 いいことずくめに見えるJTI家賃保証だが、期待されているほどには使われていない。毎月の家賃については八五%が所有者に支払われ、十%がJTIの家賃保証基金に入り、五%が仲介した不動産業者に支払われる。①家賃の五%の管理料では不動産業者が受けない。②所有者にとって定期借家は普通借家よりも家賃が安くなる上に、JTIの家賃保証をつければ家賃そのものも八五%しかもらえない。この二つがネックになっている。そのうえ、制度がそもそも知られていない。

 状況を変える方法は、市町村が空家対策として広報などで告知すると共に、当初数年は必要経費などを補助して流通する物件数を増やすことである。現状ではJTIの協賛事業者になったとしても物件数がほとんどないので年間1件も仲介することができない。これではボランティア的に協力しようとしても経済的にマイナスばかりなので続かない。もし、物件数が増えて安定的に使えるようになれば所有者も入居者がつかないリスクよりも安定した収入を優先する人も増え、更に物件数が増えるという好循環が生まれることになるだろう。

ワンストップサービス

 今号ではサ高住と家賃保証の組み合わせで住みかえ支援をするという方法をお示しした。住みかえにより自分たちの生活がより快適で豊かになるというイメージを持っていただければ、これらの方法も活用され住宅産業の活性化にもつながっていく。私も引き続き連携の必要性と具体的なテーマの明確化に取り組んでいきたい。

 空家対策で問題になるテーマは非常に幅が広い。相続がらみでは権利関係の整理、遺品の整理、管理のあり方などが問題になるし、所有者が活用に出そうと思っても不動産業なのか工務店なのかどこに相談に行ったらいいのかも分からない。各分野の専門家であっても全体像は掴みにくい。

一番必要なのは、消費者側が相談できるワンストップな窓口サービスである。しかし、行政では人手が足りずにそこまで手を出せない。だから、まず行政と各専門家集団が協働して地域の連携を取るしくみを作る必要がある。それも、公平性・中立性が確保されていなくてはならない。つまり、参加がオープンであり、参加者に対する評価が中立的であることが必要だ。そのためには、口コミ情報やクレームを公開することも必要になろう。これらの点についても今後より深い検証をしていくことにしよう。