中村てつじ「日本再構築」ブログ

中村てつじが詳しく説明いたします!! 日常活動のブログと分けました!

アベノミクス第二幕

 もうあまり時間は残されていません。気づいている人は多くないと思います。あと7ヶ月です。

 アベノミクス第二幕が始まります。

 私の分析では、最短で来年の6月頃です。この7年間とは質の違う、大規模な経済政策です。今までは布石でした。

 この予想が外れてくれることを私は願っています。

 早く、野党が団結をして、安倍政権に先んじて、経済政策を打ち出してくれることを望んでいます。その思いを込めて、この原稿をブログに載せます。いま書いている原稿が第五章第四節まで来ました。その部分だけをまずお伝えします。

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第五章第四節 本当の解決策 国債の発行と財政の拡大


 ここまで述べてきたように、黒田総裁の7年間の方針は、徹底的な金融緩和をしても、日本の経済は再生しないという結論を実証するための実験だった。このような実験は、綿密な分析を行ってきた三人、つまり、安倍晋三総理大臣、麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣、黒田東彦日本銀行総裁の三人が揃わなければできなかった。


 次にこの三人が狙うのは何か。

 異次元緩和の次の段階、そう、異次元の「財政の拡大」である。


 時期はいつか。

 ここで、消費税の増税時期が重要になる。2019年10月に消費税は8%から10%に上げられた。財務省としては、2010年の菅政権から9年越しで狙ってきた消費税増税が完成した瞬間である。それでは、9年前にはどのような議論があったか。リーマンショック級の経済の不調があれば、消費税の増税を行わないという「景気条項」という条文があった。


 今回行われた8%から10%への消費税増税は、当初、2015年10月の予定だった。

・2014年11月に、2017年4月へ1年半延期
・2016年6月に、2019年10月に2年半延期

という形で2回に渡り、計4年間も延長されてきたわけである。


 その背景には、「アベノミクス」と称して経済政策を重視してきた安倍政権が、消費税増税の悪い影響を懸念して、先延ばしにしてきたことが理由である。

 今回、三回目の延長をしなかったのは、これを機会に、次の段階に入ろうとしているのだと私は分析する。


 異次元緩和をしても経済が再生できなかった場合、どのような状況が整えば、国債の追加発行と財政の拡大ができるだろうか。
 よく考えてみれば、財務省の言うとおりに増税をして、景気が悪くなったときである。つまり、経済対策が切れて、悪い影響が出始めたときに、次の段階に入ることが政治的に許される。

 そうすると、その時期は、消費税の経済対策が切れる2020年6月以降だ。悪い影響が明らかに現れる、東京オリンピックが終わった2020年秋は、最大の機会になる。


 安倍政権は、経済対策という錦の御旗を得て、第二次安倍政権成立直後の2013年1月に10兆円の補正予算を組んだように、多額の補正予算を組み、自民党公明党を支持する利権団体への露骨な利益誘導を行う。

 また、野党の息の根を止めるために、保育園の無償化だけでなく保育士の給料を増やす政策、介護人材不足を埋めるための介護士の給料を増やす政策、若い世代からの支持を確固とするために大学の無償化(約3兆円)と若い世代への月額数万円の手当の給付(月2万円ならば約3.6兆円)を行う政策を実行する可能性もある。

 国土強靱化の予算として更に5兆円としても、15兆円の補正予算を組めば十分だ。

 その時に総選挙を行うかもしれない。


 そして、次の年からも、物価がインフレ目標の2%まで上がらなければ、一年ごとに右で述べたような政策を補正予算で実行していく。その頃までには、国債が国家の借金というよりは、日本銀行当座預金=銀行の「普通預金」、国債=銀行の「定期預金」という理解が進むだろう。このようなプロセスを通じて、財政の拡大が恒常化していく。

そうすると、補正予算ではなくて、本予算で財政が拡大されるようになる。


 この経済・財政の構造変化を完成させることができれば、安倍政権は更に長期の任期を得ることができる。私の感覚では、自民党総裁任期は2021年から始まる4期目どころか5期目・6期目も見えてくる。

 そうすると、2030年まで安倍政権が続く可能性がある。


 野党には、いま、政治的に危機的な状況にあることを認識していただく必要がある。

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私が書く本なんて必要ないような社会になって欲しい。

そう思います。

止揚の議論が必要 リフレ派とMMT

私はリフレ派でもMMTでもありませんが、
両者がともに「反緊縮」で「消費税増税反対」にもかかわらず、
「反緊縮」同士で内輪もめしているのがとても残念です。

両者の議論は、いま、止揚(しよう)が必要です。

 

具体的に言いましょう。

デフレの状態なので、
リフレ派の経済政策が限界があるのは自明のことです。

いくら金融緩和をしても、マネーストックは増えません。

 

ちなみに、私はリフレ派に対して、
今の状況ではいくら金融緩和をしてもマネーストックは増えないので、
物価は上がりませんよと2013年の黒田総裁登場から申しておりましたが、
その声は聞いてもらえませんでした。

6年経って、リフレ政策の効果がでないことが実証されました。
そこで、今度はMMTの登場です。


私のことをMMTerと表してくださる方も出てきました。
そういう評価はうれしさ反面、
MMTerが鬼の首を取ったような表現をされているのにも、
私はちょっとちがうかな、という気持ちを持っています。

 

私がそう思う理由を端的に言えば、
インフレ期には金融政策が必要、
デフレ期には財政政策が必要、
ということです。

 

今の経済情勢でMMTの方が情勢がいいのは、
単に、今がデフレ期に居るからです。
もっとも、リフレ派の政策ではいつまで経ってもデフレから脱却できないので、
リフレ派に対するMMTの批判は的を射てるのでとてもリフレ派は痛いです。

 

しかし、MMTはMMTで金融政策を全面否定しています。

例えば、国債を否定しているのですが、
国債はインフレ期には絶大な信用収縮の機能を発揮します。

インフレ期には、財政政策だけでなく、
財政政策と金融政策を組み合わせる方が効果的なのは、
1+1=2みたいな話なので、誰もが理解できるはずです。

 

この点をMMTは純粋な理論的美しさを取ろうとするのですが、
残念ながら、インフレ局面においては、
弊害を取る手段は一つでも多い方がいいです。

そういう意味では、
両方の立場は、相反するものではなく、
状況によって使い分けなくてはいけないものだと言えます。

 

両方の立場を止揚(しよう)する議論が今こそ必要です。
こういう話をどこかで解説したいと思います。

 

オスプレイは佐賀空港にやってくるか?!

政府は佐賀空港自衛隊オスプレイ配備したいと表明しています。
一昨日、佐賀県が一定の見解を表明しました。

オスプレイ計画を一定評価 県、論点整理素案を公表「漁協理解なければ困難」(佐賀新聞 2017年05月31日)
http://www.saga-s.co.jp/column/osprey/21601/433901

私もよく賛成か反対かを訪ねられます。
昨年の参院選の時から、私は賛成や反対を言う以前の問題だと申しております。政府はオスプレイ島嶼防衛に使用すると言っています。しかし、制空権が自国にある場合には、オスプレイでの輸送は必要ないですし、制空権を他国に握られている場合には、オスプレイは撃ち落とされます。

一機200億円のオスプレイをなぜ買わなくてはならないのでしょうか。
私には、よく理解できません。
防衛上の必要性はありません。
それよりも、戦闘機であるF35を早期に整備した方がいいと思います。

つまり、オスプレイを買う本当の目的は、アメリカから武器を買うことそのものにあるのだと思います。

また、アメリカ側にとっては自衛隊オスプレイ配備アメリカの国益にプラスになるという面もあります。改正された日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインでは、日本の自衛隊はアメリカ軍と一体となって行動することになりました。佐賀空港自衛隊オスプレイ配備されると、アメリカが佐賀空港を使いたいということになった場合、日本側が拒めるような約束はありません。

佐賀新聞も解説で今回行われた県の評価が「計画受け入れの議論を促す可能性もある」と述べています。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/433900
一人の県民として、私ももう少し突っ込んだ分析が欲しいと感じました。

2017中村てつじサポーターへの御協力感謝

2017中村てつじサポーターへの御協力をいただき、ありがとうございました。
無事に目標数を達成することができました。感謝を申し上げます。
引き続き、御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

第23回「個人消費を増やす方法」若年層への住宅手当創設を

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」

2017年(平成29年)5月25日(木曜日)号

第23回「個人消費を増やす方法」 若年層への住宅手当創設を

 

【若年層への住宅手当】

 前号の感想をいただいた。個人消費が増えると景気が良くなるとして、次にどうやったら個人消費を増やすことができるのだろうかという質問をいただいた。前向きの質問をいただいて、とても嬉しかった。そこで今号からはどうすれば個人消費が増えるのか、具体的な政策を示していきたい。

 日本経済の6割は個人消費が占めている。個人消費を増やせば、お金の流れ方はプラスに変わる。また、個人消費が伸びていけば設備投資も増えていくので、個人消費の伸びは経済全体を引っ張る。

 そこで、第一に最大の政策として実行すべきは、若年層への住宅手当である。18歳から30歳までの若年層に、例えば月2万円、年24万円を給付する。人口統計によれば、対象になるのは1500万人、必要予算額は3.6兆円になる。財源不足を心配する人もいるかもしれない。

 しかし、その心配は全くない。

 前回述べたように、黒田東彦日銀総裁が2013年に就任して4年間の間に、黒田総裁は日本銀行が発行しているお金の総量「マネタリーベース」を134兆円から436兆円へと302兆円も増やした。4年間で3.25倍である。しかし、日銀が笛を吹いても銀行は踊らなかった。収益率が高くない企業には銀行はそもそも貸せないのである。

 その結果、銀行貸し出しは思ったようには増えず、民間に流通するお金の総量「マネーストック(M3)」は1141兆円から1286兆円へと145兆円しか増えていない。日銀がマネタリーベースを増やした量の48%にすぎない。

 もっとも、見方を変えれば、この4年で年間平均36.5兆円、年率平均3%以上も民間へのマネーの供給が増えたとも言えるが、このかなりの部分は新規国債の発行とそれに伴う国家財政の支出増によりもたらされている。また、この程度しか増えないのであれば増えた分のマネーは投資家や企業の内部留保に吸い上げられるだけで、一般国民にまでは届かない。その結果、一般国民の消費は増えず、物価上昇率は2%どころか1%も上昇していない。

 この点、一般国民の消費を増やすためには、投資家や企業の内部留保に吸い上げられているお金を徴税によって取り戻し、一般国民に再分配すべきという主張がある。私はその論を否定するものではないが、経済的に力を持っている富裕層や大手企業を狙い撃ちするわけなので、実際には大きな抵抗が予想される。経済へのマイナスの影響が強いと彼らは反論し、マスコミも動かすだろう。実現するには相当の大きな支持が一般国民からなければ難しい。

 それならば、もう一つの方法を考えてみよう。再分配は、吸い上げられている構造について一般国民が十分に理解をしてからでも遅くはない。

 もう一つの方法とは、マネーの供給面に目を向ける方法である。経済規模に対してマネーが十分には増えていない日本経済では、現状、マネーが年率3%増えても物価上昇率は0%を少し上回る程度である。この物価上昇率を1%~2%に上げるためには、毎年増えるマネーの量を倍増させなければならない。つまり、貸し出しが思ったように増えない現状では、マネーの供給を増やす方法は、財政を拡張させて国債をより多く発行するしか方法がない。

 現状の倍のマネーを供給するためには、近年の国債発行量に加えて年間平均36.5兆円の国債を追加して発行しなくてはならないという仮説になる。もっとも、実際には、国債を現状よりも多く発行して経済対策をすれば、景気が良くなり、設備投資の需要も増え、銀行の貸し出しが増えるだろう。その分を仮に半分と見積もっても、年間18兆円程度は今までよりも多く国債を発行しても問題がない。インフレが起きれば、金融政策によりマネーを回収するとともに、その時点で財政を緊縮させれば良いだけである。

 そのため、若年層への住宅手当のためにわずか3.6兆円の国債を追加して発行してもデフレ脱却にプラスになることはあっても、経済や子どもたちの将来にマイナスに作用することはない。

【若年層住宅手当の効果】

 もし、2万円の住宅手当が実現できればどうなるだろうか。

 対象は、全ての若年層だ。社会人でも学生でも、どんな職業に就いていても区別されずに給付される。特に重要なのは、定職に就いていない若年層にも給付を行うという点である。人口統計を見れば、今の43歳、202万人をピークにして親になりうる世代の人口は減り続ける。いま29歳は135万人、18歳は123万人である。これから、この年齢層が結婚して子どもを持つ世代になる。

 日本社会の一番の弱点は人口減だ。それも、これから親になる年齢層の人口が減っていく我が国においては、この年代層に経済的な理由によって恋愛もできない、結婚もできないという状況を打破しなければならない。そのための経済政策が必要だ。

 ローコスト住宅を作っている工務店の社長から、低所得のために住宅ローンが組めない、いわゆるローンアウトのカップルがかわいそうだというお話を伺った。けっきょく、このようなカップルは低品質の賃貸住宅に住まざるを得ず、社会の格差はどんどん開いていくと憤っておられた。

 2万円の住宅手当はカップル二人で4万円になる。前回までの連載で述べたように住宅ローンの金利はこれからも上がらない。昔に比べて、いま生産される住宅は、耐震においても断熱においても非常に性能が上がっている。4万円のかさ上げで、いまローンアウトで賃貸にしか住めない20代のカップルが、住宅ローンを組んで家を建て、快適なすまいに住めるようになる。そうなれば、結婚する若者も増え、子どもも増えていく。子どもは一番消費をする年齢層なので、経済はプラスに向かう。

 いまローンアウトで困っているようなカップルに住宅ローンを組ませることは倫理的に問題だと指摘する声はあるかもしれない。しかし、問題は中古住宅の流通のしくみを変えることで解決できる。いま作られる住宅は、住宅履歴やインスペクションや瑕疵保険など、少し工夫をすれば中古として流通する経済的価値が非常に高くなる。賃貸でも売買でも、高い経済的価値を維持できるようになる。

 いまの賃貸住宅市場で注目すべきは、一戸建ての高性能賃貸住宅が不足している点である。家族が増えた時にもう少し広い家に住みたいと思うようになって、一戸建ての賃貸を求めようとしても全く足りていない。必要な需要に供給が追いついていない現状だ。あっても、築30年といったような古くて住みにくいものばかりである。

 カップルで月4万円の住宅手当があれば、一番大変なローン初期の支払いを乗り越えることができる。だから、そもそも住宅ローンが払えないという状況そのものが起こりにくい。たとえ住宅ローンが払えないという状況が起こったとしても、問題は起こらない。築浅の一戸建て住宅は賃貸物件としても人気の物件になるので、確実な利回りが期待でき投資家からのニーズは高くなる。つまり、若いカップルが住宅ローンの支払いをできなくなって建てた家を手放すことになっても、残ローンは少ない、むしろ、多少なりともお金が戻ってくるという状況になる。

 20代が良質な家に住むようになると、全世代に対して良い影響が伝わって行く。まず住宅関係の産業には需要が増え、全世代、全業種で仕事が増えるという好循環が生まれる。特に、職人の高齢化が問題になっている住宅産業にとっては、賃金・工賃が確保できる状況になる。もっとも職人の育成については特別の対策が必要ではあるが、工賃が下がらない、むしろ上がっていくという現象が生まれてくるため、職人をめざす人たちも増やしていける。

 戸建ての家に住めるようになれば、子どもたちの学習環境も良くなる。21世紀の国家は人材を育成して世界と対峙していかなくてはならない。いかにして人材の底上げと高度人材の育成を実現するのかに尽きる。住宅手当はこの点でも国益にかなう。

 このように、住宅手当の支給は日本の経済問題を全ての分野で大きく改善する方法になる。次回以降は、個人消費を増やして行くその他の方法について述べることにしよう。

 

 

第22回「住宅ローン金利の行方」物価上昇率超えぬ水準で

住宅産業新聞 連載「住宅産業が日本経済を救う」

2017年(平成29年)4月27日(木曜日)号

第22回「住宅ローン金利の行方」物価上昇率超えぬ水準で
 

【金融政策と連動】

 住宅ローンの金利日本銀行の金融政策により影響をうける。特に「固定金利」の住宅ローンは「長期金利」と呼ばれる償還まで10年の国債金利と連動している。住宅ローンについては第17回で触れたが、今回は金利そのもののしくみに焦点を当てて住宅ローン金利の見通しを論じてみたい。

 黒田東彦日銀総裁になって丸4年が経ち、日本銀行が発行するお金の総量「マネタリーベース」は134兆円から436兆円へと302兆円増えた。しかし、民間に流通するお金の総量「マネーストック(M3)」は1141兆円から1286兆円へと145兆円しか増えていない。経済学の通説では日銀が発行するお金を増やすとそれを元手にして銀行がお金を作り出し、日銀が増やしたお金の数倍の量のお金が民間に流れるという説明がされてきた。しかし、現実には日銀が発行したお金は銀行で止まり、半分も民間には流れていない。

 通説も見直しを迫られている。このような場合にはまず基本に戻ろう。金利はどのように決まるのか。

金利の理論値】

 仮に1年後に返してもらう場合に何%の利息をつけて貸せば損をしないだろうか。この点、金利の理論値は予想インフレ率+信用リスクで決まると言われている。予想インフレ率とは、今後の物価上昇率のみこみである。

 仮に、これから1年間で物価が2%上昇するとみこまれる場合を考えてみよう。貸す側は少なくとも2%の利息は欲しいと考えるだろう。なぜならば、利息が2%なければ人にお金を貸すよりも、いま物を買う方が得だからである。いまでも1年後でも同じ価値の物が買えるには2%の利息をもらわなければ同じにならない。だから、物価上昇率のみこみは金利を決める第一の基準になる。

 次に、借り手の信用リスクが加わる。AさんとBさんではお金を返してもらえる可能性は違う。だから、AさんとBさんとでは借りる時の利息も違ってくる。但し、政府が自国通貨建てで借りる場合には返せないことはあり得ない。信用リスクはゼロとして計算される。

 以上から、国債の場合、金利の理論値は予想インフレ率と等しくなる。

【金融政策で決まる金利

 しかし、実際には、国債の市場金利は、日本銀行の金融政策に引きずられて理論値からズレる。もし、物価上昇率2%を中長期的に達成できると市場が判断すれば、金利も2%以上になるはずである。しかし、今は日本銀行の金融政策により、国債金利はゼロ%辺りに誘導されていて、物価上昇率との関係は切り離されている。むしろ物価上昇率が2%になるまで金利は低い水準にとどめると日銀は約束している。

 なぜ、日銀が金利を低めに誘導しているのかといえば、金利を低めにすることによって消費や投資を増やそうとしているからである。

 まず消費について見てみよう。物価上昇率が1%ぐらいと予想できる場合には、ゼロ%辺りの国債や預金でお金を運用して1年後に物を買うよりも、いま買う方が実質的に安く買える。だから日銀が金利を抑えることで社会全体の消費が増え、需給バランスも需要が増える方向に向かう。そのことで、さらに物価が上昇するという流れに誘導しようというのが日銀の狙いである。

 次に投資について見てみよう。消費が増え、物価が上昇していく局面では、早めの投資を行えば、消費が増えることに合わせて供給を増やし企業収益を増やすことができる。金利が下がれば投資にも踏み切りやすくなる。このように、金利が低くなれば投資は増えるという考え方がとられている。

【欠けていた視点】

 しかし、実際には日銀が狙った通りにはなっていない。金利がいくら下がっても賃金が増えていないため消費が増えないからである。自分は物を買わないし物価も上がらないと実感している人を基準にすれば、予想インフレ率は上がらない。また人為的に金利が下げられると利息収入はむしろ減る。可処分所得が増えない中で、物価だけが上昇すると消費は伸びるどころか停滞する。だからデフレ基調から抜け出せない。

 また、金利が下がれば投資が増えるという仮定も、あくまでも消費が増えていることが前提になる。消費が増えるという見通しがつかなければ投資をしても回収できない。

 つまり、消費を増やす政策を打たなければいくら金融緩和をしても効果はない。日銀の佐藤健裕審議委員が米国エール大学での講演で「労働市場改革が重要」「金融政策単独での効果に限界がある」(3月29日日経新聞電子版)と述べているのは、予想インフレ率を上げるためには賃金を上げて消費を増やすことが必要だと認めているからに他ならない。

 それならば、どうすれば賃金は上がるのか。

 いま地域の経営者から聞く声は、人材不足だという声だ。労働力は逼迫している。市場原理によれば賃金は上がるはずである。しかし、現実には上がらない。それは、企業収益が上がらないからだ。貸し渋りを経験した日本の企業は内部留保を厚くしなければ企業を存続できないと考えている。つまり、中小企業の収益がさらに上がらない限り、日本の労働市場では賃金は上がらない構造になっている。

 だからこそ、まずは企業収益を上げる必要があり、それには消費を増やす必要があり、それには可処分所得を増やす必要がある。可処分所得を増やす方法として先に賃金を上げる方法がとれない以上、国民の負担を減らし国民が自由に使えるお金を増やすこと、つまり、社会保険料の軽減や消費税の減税が必要不可欠の経済政策になる。これが論理的な帰結だ。

金利は上がるのか】

 黒田総裁の立場に否定的な学者の中からは、そのうち長期金利は上がらざるをえないという見方も示されている。現在日銀は年間80兆円規模で国債を買っているが、もう間もなく市場に国債が出回らなくなり人為的に下げている長期金利も上がって来るという主張である。

 しかし、理論的に考えれば、そう簡単には金利は上がらない。市場に国債が出回っていなければいないほど、少し国債を買増しするだけで国債の価格は上がる。つまり、国債金利を下げることができる。日本銀行ならば原資となる日本円はいくらでも発行することができる。このように、市場から国債がなくなるので金利が上がるという主張には根拠がない。

 さらに言えば、今までは日銀当座預金に利息が付いているから銀行は日銀に国債を売ってきた。前回述べたように、銀行にとって国債は私たち民間人の定期預金のようなもので、できれば利息のつかない日銀当座預金よりも国債を持ちたい。現状では日銀当座預金のうち210兆円にはプラス0・1%の金利がつけられていて、日銀当座預金にお金を預けていても銀行は損をしない。仮に国債の価格が暴落=金利が上昇するような局面になった場合には、日本銀行は自ら国債を買い増す他に、日銀当座預金につけている金利をゼロにすればよい。銀行は日銀当座預金を手放すために国債を買い、速やかに国債市場から国債はなくなり市場金利は下がる。

【出口はどこにあるか】

 これまで述べてきたように、住宅ローン金利が今のような史上最低レベルの水準から抜け出して行くには、日銀が利上げに転じる物価上昇率2%を達成することが最低条件になる。しかし、日本銀行は昨年11月に物価上昇率2%の達成時期を2018年度ごろとした。5回目の延期だった。もうすでに残り1年半~2年しかない。公表されている直近のデータを見ても、物価が上がるような気配はない。財政が大幅に拡大されない限り、物価上昇率が2%になるような消費増はみこめない。

 結論に入ろう。財政政策が現状の緊縮路線をとる限り十年単位で金利は上がらない。もし財政拡張政策に転じられた場合には労働市場に資金が流れ賃金も上がり、結果として物価も上がることになるだろう。しかしあくまでも財政の拡張が原因なので、金融を大胆に引き締めないといけないほどの物価上昇に進むことは難しく、結局、物価上昇率を超える金利にはなりにくい。結果として住宅購入者が払える範囲内での変動金利になる。だから現時点では安心料として固定金利を選ぶ人でなければ住宅ローンは変動金利を選ぶ方がベターだと考える。

認知症サポーター養成講座を受けました


先週の日曜日、認知症に関わる地域の人たちが集まる座談会に参加いたしました。
在宅療養の会「在宅ネットさが」で告知されていました。
今回は第1回で「認知症サポーター養成講座」が開かれていました。


地域包括支援センターの職員さんが、認知症について教えて下さいました。
奈良に居る時に「バリデーション」という認知症の方に接する方法を教えていただいたことがあります。
興味深く、また共感をしながら拝聴しました。


認知症はボケでも何でもなく、今までできていたことができなくなるという機能障害です。
その結果、起こることは本人が一番気づき傷ついていることだと教えていただきました。


最近、私は、正しさよりも人の感情に興味が向いています。
私は今まで正しいことを実行することを基準にして生きてきましたが、
ある人にとって正しいことはある人にとっては正しくないこともあります。
そこで立場を越えられるのは人間性、その人の感情に寄り添えるかどうかということだと感じています。


認知症の人への対応は、まさにその人の感情に寄り添えているかどうかが問われることになります。
極めて専門的で繊細な感覚がいります。
介護職の皆様に求められていることの重さを実感しました。


また介護職の皆さんがおかれている状況についても伺いました。
私は民主党政権時代に介護職の待遇改善に取り組んできましたし、
昨年の参議院選挙でも介護職の皆さんの待遇改善こそが経済政策になると訴えました。
だから、自分たちの取り組んできたことの価値を再確認できました。
自信をもって訴えていかないといけないと思いました。


これからもいろいろな現場に入っていきたいと思います。
お声がけ下さい。よろしくお願いいたします。