中村てつじ「日本再構築」ブログ

中村てつじが詳しく説明いたします!! 日常活動のブログと分けました!

今秋から激動する世界経済 〜 今の円高をどう見るか 〜


ツイッターで私の「黒字亡国」の論調に対して疑問の意見を頂きました。確かに過去の「黒字亡国」の記事から見ると、説明が足りていない部分もあると思っていました。

「対米隷属・経常黒字・経済界・マスコミの相関関係」
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20100724

「デフレ〜3つの異なる原因 デフレ〜3つの異なる原因」
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20100709


黒字亡国―対米黒字が日本経済を殺す (文春新書)

黒字亡国―対米黒字が日本経済を殺す (文春新書)


そこで、今日ツイッターで追加の説明を連続ツイートした内容をあらためてブログの記事にまとめました。


<<<<<ここから>>>>>


まず初めに明らかにしておかなくてはならないのは、三國さんが「黒字亡国」をお書きになった頃と比べて現時点は、ちょうど世界経済の状況が大きく変わり、日本が黒字を増やそうと思っても増えない局面に入ってきているということがあります。

この部分は仙谷官房長官が長年主催している経済勉強会で教えて頂いたことでもあるのですが、今まで経常収支の赤字を引き受けてきた国が赤字を維持できなくなっています。アメリカでも貯蓄率が上がり他の国が米国債を売っても長期金利が下がる状況になっています。

またギリシャなどに見られるように経常収支赤字国がIMFに入られるなどして黒字化しています。今まで経済発展をして来た新興国は輸出をてこにして経済発展をしてきましたが、その基本的な条件が解消しつつあります。


つまり、赤字を引き受ける国が無くなってきたので、もはや黒字を減らすべきという主張はその前提を欠くという世界経済の状況になっています。8月からの急速な円高の背景には、このような世界経済の減速(長期金利の低下→日対欧米の金利差の縮小)があります。

私は国内需要を増やすためにも日本に投資を呼び込み、黒字を減らすべきと申し上げてきましたが、輸出に見合う輸入も資源やエネルギーの輸入等で十分にある状況になってきたと見て取れます。

経常収支のグラフを見ても近年の黒字は所得収支(過去の投資の結果)の黒字でまかなわれていて、貿易収支はゼロか赤字という状況になっています。もはや積極的に輸入を増やそうと言える状況でも無くなっているのが難しいところだと思います。

ここまでが近時起こっている急速な円高の背景から私が考えることです。蛇足かも知れませんが、その急速な世界経済の環境変化に対応するためには小沢一郎の方がよりベターなのではないかというのが私の代表選挙におけるスタンスに繋がっています。


さて次は資金供給量の論点です。

日本は純債権国です。日本の対外純資産は266兆円。対外資産554兆円・対外負債288兆円。なぜここまで対外純資産が積み上がっているのかという視点が必要です。

財務省資料「平成21年末対外資産負債残高の概要」
http://bit.ly/9WEOkC


この背景には日本が加工貿易の国であり、外需に依存し続けてきたということがあります。つまり他の国のように資源もなく、輸出と言えば輸入した財を加工して付加価値をつけて外国に買ってもらうモデルしか、日本には取れなかった。

私が問題点を指摘し続けているのは、製造業を中心にして日本国内の人間により生み出された付加価値がきちんと日本国内に貫流していますか、貫流しているのであればもっと日本国内の資金供給量が増えるのでは無いですか、ということなのです。

私も、全くの素人から経済を勉強しているので、このロジックが全く間違っていないかどうかについては分かりません。だからこそ、自分の知見を明らかにして批判を仰いでおります。だから皆さんに補足(批判?)をして頂き、ご教授頂けるのはありがたいです。


さらに問題提起をするとすれば、私たちが「日本企業」と呼んでいる企業群は本当に「日本企業」と呼び続けていて良いのかと思っています。もちろん登記上は日本に本社があるので法的には日本企業でしょう。しかし実態はグローバル企業であり日本の枠を越えて世界全体で活動する主体です。

ここからはミクロの経済分析が必要になり私の手には追えなくなる話です。私は一つの仮説を頭に描いて日本企業のグローバル化を見ています。それは海外に売った代金(ドル建て)をてこにして対外投資を行ってきたという仮説です。

現地生産」のための工場を作るなどの資本投資をする場合に、その地域の外貨やドルをその投資見合いで調達していれば、投下資本を現地調達していることになります。


ただ、グローバル化した「日本企業」は、今まで外国に売った代金はドル建てなので相当額のドル資産を持っている。その一部分をてこにしてドル等現地で使う通貨の調達を行っているのでないかと私は考えているということです。

この点については、個々の企業の経営判断にも繋がる話で、なかなか立証をするのは難しいと思いますが、先に申し上げたように対外資産が554兆円もあるので、この額の相当額が企業によるものと考えるのが通常でしょうし、その背景はと考えると先のような分析になったということです。

以上が私が今まで「黒字亡国」の視点で説明できていなかったと思うことについての説明です。また批判・反論でもけっこうですので、皆様から御意見を頂ければ幸いです。


さらに付け加えるとすると、そのようなグローバル化した「日本企業」で構成されている日本の株式市場が日本の経済状況を示す指標たりえるのか、雇用を重視する日本国民はキチンと考察した方が良いというのが私の考えです。


<<<<<ここまで>>>>>


以上の連続ツイートの後で、小川弘之さん@nxhrogさんから、輸出企業は円高に対応出ているという記事を紹介頂きました。ウォールストリートジャーナル、ナオミ・フィンク氏(三菱東京UFJ銀行ストラテジスト)。いい記事を紹介して頂き、感謝です。

【オピニオン】誰が円高を恐れるのか?
http://bit.ly/9lBuwe