中村てつじ「日本再構築」ブログ

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「スムストック」大手ハウスメーカーが作る中古住宅流通市場


「スムストック」の中林昌人さんから本を送って頂いた。

3つ星流通住宅―安心して中古戸建が買える世の中に

3つ星流通住宅―安心して中古戸建が買える世の中に

タイトルからは何のことか良く分からないだろうが、大手ハウスメーカー10社で作る中古住宅流通市場のことである。

皆さんもご存じの通り、大手のハウスメーカーが作る家は高い。住宅展示場のコストや広告宣伝費をかけているのだから当然といえば当然である。ただ大量に建材を発注するコストダウンや住宅履歴の保存など、大量供給の大手メーカーだからできることもある。

その大手ハウスメーカーの強みを最大に活かした中古住宅流通市場が「スムストック」である。

http://sumstock.jp/


簡単に言えば、大手だからキチンと確保されている「住宅履歴」(住宅の建築時から現在までの履歴)を活用して、「質」を保証した既存住宅を中古住宅流通市場に載せていこうという取り組みである。

売り手にとってのメリットは、従来の査定よりも高い価値を認めてもらえるようになるということ。今は、どんな高級な構法で家を建てても、町の不動産業者であれば築後20年では住宅価値がゼロに近くなってしまう。町の工務店よりは1割〜2割は高い坪単価にも関わらず自分の思い入れも含めてこの住宅メーカーで家を建てた人にとっては、このようなしくみはありがたい。

一方で買い手にとってのメリットは、中古住宅にも関わらず新築と同様に「質」を保証された住宅を手に入れることができるということ。大手ハウスメーカーの家は住宅履歴がしっかりしているので、どんな構法で建てられ、どんな管理が現在までなされた来たかハッキリとしている。その管理の歴史ごと購入できるので、良い質の家が割安で購入することができる。


さて、ここまで書けばバラ色ばかりの「スムストック」であるが、何かデメリットはないのだろうか。


まず挙げられるのは、「確かに、買主は質が良い家を割安で購入でき、売主は一般の不動産業者の仲介で売るよりも高く売れる。しかし、しょせんは大手による「顧客の囲い込み」ではないか」ということ。

現にサイトからの検索も、地域から検索はできず、メーカーのブランドからしか検索できない。
http://sumstock.jp/search/

また、坪単価としては建売の新築よりも、ハウスメーカーの中古の方が高くなるかもしれない。それを好んで購入する人もどれだけいるかは分からない。

ただ大手ハウスメーカーが長年培ってきたブランド力とその固定的ファン層にとって、中古になってもそのブランド力が維持されるというのは魅力になろう。確かに「顧客の囲い込み」ではあるが、収入が多い「勝ち組」の人たちにとっては、こういう取り組みは魅力的な商品だと思われる。


私たち政治家の側から見れば、このような大手の取り組みにより、ますます中小工務店との販売上の格差がついてしまうことが問題点として意識できる。このままでは、中小の工務店は大手のハウスメーカーやパワービルダーの下請けしかできなくなってしまいかねない。

中小の工務店が利用できる、質を担保できる中古市場の整備は、政治の課題だと強く意識させられた。