ドミニカ移民問題・尾辻先生の謝罪


尾辻前厚生労働大臣が、小泉首相の特使としてドミニカに行って謝罪なさった。
尾辻先生と一緒にドミニカに行った者として、とても感動しました。

<ドミニカ移民>移住50周年記念祭 尾辻特使が謝罪
(毎日新聞 - 07月30日 19:11)

サントドミンゴ庭田学】カリブ海ドミニカ共和国で29日に開かれた「ドミニカ日本人移住50周年記念祭」で、小泉純一郎首相の特使として首相メッセージを移住者に読み上げた尾辻秀久厚生労働相は過去の経緯を深々と謝罪し、出席者から大きな拍手を浴びた。

 尾辻氏はこれまでの政治活動の中でドミニカ移民問題に強い関心を持ち、訴訟では原告団を支援してきた。あいさつでは「私はこれまで政府に土下座して謝れと言い続けてきた。私はここで土下座すべきだが、土下座は首相特使として勝手にやれる範囲を超えている」と複雑な立場を説明した後、「土下座のつもりでおわびをします」と言うと突然壇上から降り、深々と何度も頭を下げた。出席者は立ち上がって大きな拍手をした。

 嶽釜(たけがま)徹・記念祭執行委員長は「これまで政府に土下座しろと言い続けてきた尾辻さんは、立場が逆になり、土下座しないことには自分としても納得できないし、移住者も認めてくれないと思ったのだろう。あのような態度を取ることは簡単ではない。感動した」と語った。


今回の訪ドミニカには、私も誘われていました。
落選中だったので、お断りしました。


こんなにドミニカ移住問題がメジャーに扱われるようになったことは、ひとえに、尾辻先生と川内博史代議士の力です。

一つの問題の節目が来たように思います。
嬉しいです。


本を一冊紹介します。

外務省が消した日本人―南米移民の半世紀

外務省が消した日本人―南米移民の半世紀


私は、2004年1月に超党派の議連メンバーとして、尾辻前大臣と一緒にドミニカを訪問しました。 当時、私は2期目の衆議院議員でした。

ドミニカに移民した人たちは、競争率何倍というセレクションを通った、農家の中でも資力も営農能力もある方たちでした。 国家が「カリブの楽園」と銘打って募集をし、相手国との交渉も適当にしておきながら、国民をだましたことに対して、政府は反省をしないといけないと思います。

地裁の判決でも、不法行為除斥期間による棄却ということであり、移民の方々の自己責任を問うたものではありません。


尾辻先生は、与党議員でありながら、ドミニカ移民に関して一貫して政府を批判し続けてきた人です。しかし、そのような人でありながら、人格識見を兼ね備えているので、小泉政権下で厚生労働大臣をおつとめになりました。

小泉首相の特使を務めることは、内心忸怩たる思いがあったろうと思います。しかし、この問題をライフワークのように取り組んできた政治家として、他の人に任せられないという気持ちがあったのだろうと推測します。