小沢支持の最大の理由=「安全保障」政策と憲法解釈の変更


9月1日から民主党の代表選挙が始まりました。ツイッターでも書いていますように、私は小沢候補支持で動いています。このブログの読者の皆様には、ぜひ、このタイムライン(サイトのページ)を読んでいただきたいです。
http://twitter.com/NakamuraTetsuji


長文になりますが、この記事では私が今回小沢氏を支持する最大の理由である「安全保障」政策について書きたいと思います。私の説明が不十分であれば、またツイッターでもメールでも御指摘いただければ幸いです。

先週末の後援会座談会「中村てつじと話す会」で「なぜ今、小沢を支持するのか」と問われて、少し考えて「やっぱり最大の理由は安全保障だ」と思いました。支援者の皆様とのやり取りは、自分にとっても自分の原点を問い直す機会になります。


さて、本題に入ります。

いつも選挙区の皆様に申し上げている通り、私も国会議員としての大きな仕事の一つが国の安全をいかに守るかということだと考えています。そこで、このような資料も配付をしています。

これは、2007年9月3日、民主党参院会派研修会で、小沢一郎民主党代表(代表)が講演した「日本の安全保障の基本原則「三位一体」の同心円構造」の資料です。
http://data.tezj.jp/2010-0901ozawa_anpo.pdf


従来の憲法解釈、自民党政権時代からの政府の憲法解釈では、「集団的自衛権」と「集団安全保障」を混同しています。国際法的に見ても集団安全保障と集団的自衛権を混同している国はありません。(現行憲法解釈と国際法的な理解の齟齬を論証している論文として酒井啓亘(京都大学教授)「国連平和維持活動(PKO)の新たな展開と日本」(国際法外交雑誌105巻2号))

現行法はPKO「協力」法というタイトルになっています。この背景には、国際法に則って国連のPKOに「参加」しようとすれば憲法解釈の変更が必要になることがあります。(国連の平和活動に日本が「参加」できないとしたのは昭和55年(1980年)の政府答弁。)


私の分析では、この点に小沢一郎という政治家はこだわっていて、この憲法解釈の変更ができるという理由で、福田総理との「大連立」を合意したと考えます。このときの分析は過去のブログに書いていますので、ぜひ、ご覧になっていただきたいです。そしてこの一点で私は小沢一郎を支持しています。

ブログ「憲法9条と集団安全保障」
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20100503


実は、安全保障については、このような大枠の議論をして初めて、普天間基地移設問題も議論ができるようになります。

小沢一郎が代表選挙に立候補をする時に提出した政見文書があります。(以下、「小沢政見文書」と略します。)
http://data.tezj.jp/2010-0901rikkouho.pdf


そこには、「6−5.米軍普天間基地移設問題は、沖縄県民と米国政府がともに理解し、納得し得る解決策を目指して、沖縄県、米政府と改めて話し合いを行う。」とあります。

小沢候補が言う通り、日本国憲法と日米同盟と国連集団安全保障は「三位一体」の関係にあるからこそ、国連の活動に積極的に参加する枠組みを憲法解釈の変更によって作り、「武力で武力をコントロールするのではなく、法で武力をコントロールする」体制を作っていくことができます。

普天間基地も、移設後の基地がどのように使われるのか、自衛隊との共同使用なのか、国連部隊の訓練施設を併設するのか、などが論点になってきます。


このような大枠の概念設計があって初めて、個別の議論を深めていくことができます。つまり、「沖縄県民と米国政府がともに理解し、納得し得る解決策を目指して、沖縄県、米政府と改めて話し合いを行う」ことを開始できるのです。


また、小沢候補は対等国としてアメリカとの関係をより深めることを主張しています。


小沢政見文書「6−1.日米同盟は最も重要な2国間関係であり、一層緊密な協力関係を構築する。同盟関係は従属関係ではなく、対等のパートナーであることから、日本は国際社会において、米国と共に今まで以上にその役割及び責任を分担する。」

アメリカという国は日本で言われているほど悪辣な面ばかりではありません。一面的に見られるよりも重層的でリベラルな国です。そのような国を相手にしていると思いながら交渉を行っていく必要があります。


普天間問題も、日本が世界の中で何を訴えていくのかということをハッキリさせなければ、根本的な解決はあり得ません。


円高も進んでいます。過去経済的な理由から、戦争というものは始まりました。世界経済が大きく落ち込んでいく中で、私たちがどのような選択をするのか、それが問われる危機的な事態がやってきます。


8月22日に私はブログに書きました。「小沢代議士と民主党代表選挙」
http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20100822

その後、8月26日に小沢さんは立候補の決意をし、その時、私は支持を表明しました。


「今回の中村さんの選択は、票を減らす」と忠告を受けます。しかし、今回の活動は、私の政治家としての信念を貫かないといけない活動だと思っています。支援者の皆様には、分かっていただくまで説明をしなくてはならないことだと。


私は昨年5月、当時の小沢代表が辞任を発表した時、仲間数人と小沢さんに会いました。その時、誰も口を開こうとしない中で、私が一番初めに申し上げました。「また総理を目指して下さい。」

それは、以上述べたような形での日本の安全保障体制の構築は、小沢一郎の見識と執念がないとできないと確信していたからです。


その私の言葉に、小沢さんは「いや、まず政権交代だ。政権交代すれば、安全保障体制の構築もできるさ」と答えました。

どちらが正しかったのかは、普天間問題の解決方法を見れば分かります。私が申し上げた通りになりました。小沢さんには、決意した以上、総理になっていただいて大改革に着手してもらわなければなりません。


同内容のメールを後援会の皆様に送っても、なかなか理解はして頂いていません。しかし、今回は譲れません。国民の未来のために、今やらなくてはならないことがある。そう思って、今、行動しています。