岩本沙弓「為替占領」

(記2011/07/17)
5月、6月と忙しく、気がつけばブログの更新はきちんとできていませんでした。ビラの原稿を書いても、ブログには載せておらず。インターンシップで事務所に来た学生さんから「最近の活動が載っていませんよ」と言われて、焦りました。

ツイッターばかりもダメだし、「話す会」だけでもダメですねぇ。もっと告知をして「国民参加型の民主主義」にしなくては。反省です。


さて、久しぶりのタグ「属国日本」。急速に進む円高は「米国債のデフォルトへのカウントダウンではないか」という恐怖を持って事態の推移を見ていますが、そのような「背筋も凍る話」を極暑の今夏だからこそ、皆様に伝えましょう。

あの岩本沙弓さんの新しい著書が出ました。

タイトルは「為替占領」。

為替占領 もうひとつの8.15 変動相場制に仕掛らけれたシステム

為替占領 もうひとつの8.15 変動相場制に仕掛らけれたシステム

アマゾンにレビューを書きましたので、引用します。

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FXなど為替関係の投資を行っている人や行おうとしている人が「為替」や「通貨」について深く知るための最適な「教科書」。文春新書の「新・マネー敗戦」も良い本だったが、この本は3・11東日本大震災を経験した「今」を基準にして書いてあるので、「3・11後の投資環境を考えたい」という人には、この本の方がお薦め。

私は政治家(参議院議員)であり、著者は文筆家・講演者なので、具体的に選択すべきと考える選択肢については私と著者には違いがある。ただ、その前提となる分析については、私は著者の本を読んで自分の分析が間違っていないかを検証している。今回の本については、著者の「外為特会の外貨準備を解消すべき」という御主張については私は賛同できないが、その前提となる分析については、全面的に共感して読了した。

このレビューを書いている時(7月15日現在)も、円高が進んでいる。図ったのかと思いたくもなるタイミングである。著者はこの本の中で円高が進み、かつ、近い将来に米国債のデフォルト+新ドルの発行が起こるかもしれないと予想している。著者の予想が当たるかどうかは分からないが、その予想の元になっている分析を丹念に追っていくことで、読者は自ら考えて投資行動を決められるようになるだろう。

読者によっては、この本だけでは良く分からないという感想をお持ちの方も出てくるだろう。そういう方は、文春新書「新・マネー敗戦」もあわせて読んで頂ければ、為替や通貨にまつわる問題に対する分析力を高めて頂けると思う。

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あわせて読んでいただきたい「新・マネー敗戦」については、以前にもこのブログで書いています。この機会にこの記事も読んでいただきたいです。

「通貨と資源・領有権問題との関係 〜 中国「元」経済圏の拡大」

http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20100926