衆院選落選 反省と未来(2)多様性(ダイバーシティ)


今朝の報道によると、未来の党の共同代表に阿部知子衆議院議員が就任する方向だそうです。この件について、いろいろな人から賛否両論のメールをいただきました。今回の記事は「卒原発」について書くつもりでしたが、予定を変更して、未来の党の今後について、組織論の観点から書くことにします。


結論から書きます。私は、阿部知子共同代表という方針は、我が党にとって一つの選択肢だと思っています。それは、国民政党になるためには、「多様性」(ダイバーシティ)が必要だからです。


正直なところ、「プロ」である「国民の生活が第一」出身者の政治家から見れば、「嘉田さんも阿部さんも全く組織論が分かっていない」と思われていることでしょう。今日現在になっても、新しい党活動の方針が示されていないことを見ても、その指摘に私は反論できません。

20代はじめから20年近く二大政党を作る努力をして来た私自身にとっても、両氏の現状には不満があります。嘉田さんにも未だ会っていませんし、ポスターの広報板に貼る「未来の党」のシールも作成にさえ至っていないという話を聞くと「本気で組織運営をするつもりがあるのか」といらいらします。

しかし、それは、いわゆる「プロ」の目線で見ているからであり、今まで政党活動に注力をしていなかった人が政党を作るためには、その人が「気づくまで待つ」という姿勢が「プロ」の側には必要なのです。阿部氏も小政党に長らく属してこられたので「メジャー」をめざすのは初めて。時間がかかります。


ところで、こんな見方もあります。昨日発行の「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン Vol.047」です。(有料メルマガ。私も愛読しています。)

未来の党のバトルはもっと早く爆発か


今回の選挙で壊滅的打撃を受けたのは民主党だけではない。嘉田由紀子氏率いる日本未来の党も61議席が9議席となって、小沢一郎氏と組んだ戦略が大失敗だったことがはっきりした。しかも、飯田哲也氏が落選したことで、嘉田氏は党内での基盤を完全に小沢グループに握られることになる。本来は、嘉田氏は責任を取って代表を辞任し、小沢氏と関係のない新政党を作った方がいいと思うのだが、とりあえず続投の意思を示している。


こちらも選挙後の小沢、嘉田両グループの対立が注目されるのだが、維新の会と違い、そのバトルは来週にも爆発する可能性がある。今行われている党役員人事で、小沢氏を無役とするのかどうかを含めて調整が難航する可能性が高い。


注目されるのは、20日の滋賀県議会で嘉田氏が、続投すると言いつつも、あらためて熟考したいと付言したことである。文字通り取れば、場合によって代表を降りるとも取れる発言だ。


小沢グループがこれにどう反応するのか。「出て行くなら出て行け」と言うのか。客観的に考えれば、嘉田さんの旗がなくなると次の参議院選挙で小沢グループの議員の大半は落選確実だと思われる中、そういう認識が小沢グループの中にあるのかどうか。もしなければ、重大局面が、予想以上に早く訪れるかも知れない。


さあ、これを読んで、いわゆる「小沢信者」である皆さまはどう反応しますか。感情にまかせて動くことは簡単です。しかし、それをすれば、相手の思う壺に入ります。

古賀氏が意識しているのか無意識なのかは分かりませんが、この古賀氏の文章では、未来の党を分断しようとしていることは明らかです。


私は、嘉田さんや阿部さんと合流することによって、未来の党には幅が出てきたと思います。確かに、その選択をすることによって、時間不足、経験不足の弊害が現時点では出てきています。しかし、その点については、時間をかけてしっかりと組み立てていけばいい。その時には、私たち「生活」出身者の力が活きてきます。

それよりも、この時点で分裂ということになると、さらに少数勢力になって多党との交渉能力もなくなります。何よりも「党のガバナンスもできない政党が、国家のガバナンスもできるはずがない」という国民の印象を覆すことはできないです。純化路線では力を持つことはできません。民主主義では、数は力です。自由党が民由合併に踏み切った理由を私たちは思い出さなくてはなりません。


いわゆる「小沢信者」の皆さまに申し上げたい。今、小沢一郎は何を考えているのか。なぜ、嘉田由紀子滋賀県知事に新党の立ち上げを進言したのか。その経緯からして、「小沢信者」ならば、何をすべきなのか。

私は、つねづね皆さまに申し上げてきました。小沢一郎をいくら見ていても、小沢一郎が考えていることを分かることはできない。小沢一郎から目を離して、小沢一郎が見ている先を自分も見るようになって初めて、小沢一郎という政治家の考えていることが分かるようになる」。


私は、「国民の生活が第一」の常任幹事として、常任幹事会で嘉田新党との合流を主張した一人です。それは、選挙とは、人の好き嫌い、組織、人事、党名などこだわるべきではなく、主権者国民の判断を「政策」で仰ぐためのものである、という民主主義の原点に立つべきだと考えたからです。それしか選択肢はありませんでした。

今の政治状況こそ、私たち一人ひとりの真価が問われる時です。


次回以降のブログに書きますが、嘉田さんの弱点は経済政策です。本来、卒原発も、脱増税も、経済対策の一環として語られるべきだったのですが、その主張が弱かったことも敗因の一つです。しかし、ここで私たち「生活」出身者が嘉田さんから離反してしまうと、嘉田さんがそれに気づく機会さえ奪ってしまうことになります。


皆さん、共に頑張りましょう。私が最後までついています。


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