市議会・企画総務委員会 有事法制条例案・予算案 可決


今日も朝の駅立ちの後、生駒市議会の傍聴に参りました。

生駒市議会では、各委員会で予算案が否決されるのか可決されるのかが注目されていますが、その影であまり注目されていない問題として、「武力攻撃事態法」(有事法制)に対応するための条例(案)の問題があります。

残念ながら、生駒市も「生駒市国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」案と「生駒市国民保護協議会条例」案を、政府が出しているモデル条例案どおりに作ったようです。例えば、「国民保護協議会」のメンバーは、既存組織の「防災会議」のメンバーそのままを想定しているということでした。

このように、武力攻撃事態という究極的な状況を想定しなければならないのに、安易に災害の場合の既存組織の構成と同じにしてしまうということは、ほとんど生駒市役所の庁内で具体的な「事態」について議論されていないことの現れであり、「市民派」の新市長らしくない議案だと思いました。ちなみに、この議案は、本日、企画総務委員会で可決されました。


昨年、私は、ベストセラーになった村上龍の「半島を出よ」を読みました。まずテロリストは、少人数で福岡ドームを制圧し多くの人を人質に取り、時間を稼いでいる間に空挺部隊がやってきて町を制圧する、というところから物語が始まります。

半島を出よ (上)

半島を出よ (上)

半島を出よ (下)

半島を出よ (下)

残念ながら、武力攻撃事態法ではこのような形での「事態」は想定されていないと思われます。そのため、自治体が本当の意味で「事態」に備えるためには、本気で相当のシミュレーションをしなくてはならないのではないかと思います。

テロか災害かは、起こったときにはどちらか分からないという面もあるので、防災会議と国民保護協議会のメンバーを合わせる合理性がないわけではありませんが、故意に人を殺すことを目的とする戦争の「事態」と、自然による不可避な災害の状況では、必要とされる専門家による対応も変わってくることは当然のことです。

まあ、どうせ「事態」は起こらないと思っていらっしゃるのかも知れませんが・・・。


ちなみに、一般会計予算(企画総務委員会の所管分)も可決されました。予算については、27日の本会議で採決がどうなるかが注目されています。