「日本の借金って?」(平成25年末現在本邦対外資産負債残高の概要)

(記2014/05/28)

「日本の借金って、いくらあるの?」と聞かれました。

「日本の借金」と言う場合、他の国から取り立てにあうかという意味では、どれだけ外国からお金を借りているのか、ということが重要です。


ちょうど昨日(5月27日)、昨年末の統計が出てきました。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2013_g.htm

日本は、他の国に借りているどころか、他の国に貸しまくっています。

他の国に貸しているのが、797兆770億円
他の国から借りているのが、472兆700億円

差し引き、325兆70億円

つまり、他の国から借りているお金を全て返してしまったとしても、貸しているお金は325兆70億円も残ってしまうということです。これは、20年以上連続して世界一です。

「そんなん、なんで他の国にそれだけ貸してるのに、自分の国の中は不況って言うて、ピーピーしているんや?」と思うでしょう。

こういうところから経済を勉強していくと、真実の姿が見えてくるのです。


国債の発行について「国の借金」とよく言われますが、政府の借金であって、国家全体の対外的な借金ではありません。政府が国債を発行すると、その代わりに受け取ったお金は、必ず政府の支出を通じて民間に移りますので、国民の資産が増えるというしくみになっています。

政府が銀行から借金をすると、政府はそのお金を国民に渡します。公共事業や、公務員の給料や、補助金や、保育所の運営費用などなど、として。その分が、民間に所得として移るわけです。

政府から民間へのお金の支払いは、銀行振り込みでなされます。民間に振り込んでもらうため、政府は国債の発行の際に銀行から受け取ったお金を、また銀行に渡します。

銀行は政府から受け取ったお金を、預り金として、その民間の口座に入れるのです。預金が増えたことになります。

以上見てきたように、国債を発行しても、政府の借金は増えますが、同時に同じ額だけ政府が国民に仕事を提供するので、国民の側の資産も同じ額だけ増えます。「日本の場合、親子麻雀のようなものです」と言われるのは、このようなしくみになっているからです。