バブルの発生と崩壊のしくみ

2020年10月18日(日)に、バブルの発生と消滅について質問があったので、ツイッターのグループDM「お金のしくみ」質問箱で答えました。その後もバブルについて追加質問もあったので、参照しやすいようにまとめました。(2020年10月26日)

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2020年10月18日 午前9:27~

私たちロスジェネ世代以下の世代は、1971年以降の経済の流れを知る必要があると私は感じています。特に、1985年のプラザ合意以降の動きが重要です。

1985年プラザ合意
円高の発生
→輸出不振、「円高不況」
→金融緩和
となりました。金融緩和の結果、あふれてきたお金は社会全体で投機に回るようになります。バブルの発生です。

 

金融緩和でお金があふれる
→不動産投資にお金が流れる
→地価高騰、不動産価値の上昇=担保価値の上昇
→新たな貸し出し増(信用創造の第1の経路)=国内に流通するお金が増える
→土地価格の上昇+貸し出し増という循環が始まる
→バブルの発生

 

バブルの結果、経済は良くなりましたが、土地が上がりすぎて、国民が住宅を買えないようになってしまいました。社会問題になりました。

そこで大蔵省銀行局が行った政策が「総量規制」です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E9%87%8F%E8%A6%8F%E5%88%B6

これは「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑えること」が内容です。表現自体はマイルドなのですが、劇的な状況を生むことになります。

 

不動産業者は今まで通り、簡単にお金が借りられるということを前提に土地を買いあさっていました。総量規制により、総貸出の伸び率以下に不動産向け融資の伸び率が制限されるということになると、貸出量は激減します。

そうすると、今まで通り資金を貸してもらうことを前提としていた不動産業者の資金繰りが悪くなります。返済は通常通り、行う必要もあります。

ここで、不動産が売り始められることになります。

不動産が売られる
→土地の価格が下がる
→担保価値が下がる
→銀行が追加の担保を要求する
→追加の担保がないので、不動産を売却する
→さらに売り物が増える
→更に土地の価格が下がる
という循環でどんどん不動産価格が下がっていきました。

 

担保価値が下がっていくので、銀行の資産である「貸出債権」が痛んでいきます。これを「不良債権」と呼びます。

日本がそれから先、今日まで苦しむ問題の発生です。

1993年から就職氷河期が始まります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%B1%E8%81%B7%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%9C%9F

 

ロスジェネ世代がこのような経済の悪循環に最前線に立たされることになります。不良債権問題を解決するために、銀行の救済が優先されます。

本当は財政を使ってこの状態を回避する方法を採るべきでした。

 

私が「お金のしくみ」オンライン勉強会を始めた理由は、このような構造を多くの人に伝えて情報を共有したいと考えたからです。

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以上が、バブルの発生と崩壊のメカニズムです。

次回、第14回「お金のしくみ」オンライン勉強会の告知です。誰でも参加していただけます。

「お金のしくみ」第14回オンライン勉強会
10月26日(月)21:00~
https://us02web.zoom.us/j/81053597210?pwd=Ynl0ckJmNk5neFl4RUR0S0UzZjRDZz09
ミーティングID: 810 5359 7210
パスコード: 384187