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【補足説明】国債発行と世代間の公平

…:約2650文字) 国債の発行について質問をいただきました。「世代間の不平等の問題は?消費税は当代から徴収し、国債は次世代から徴収す構図に見える。年金も減額される中で、次世代はどんな負担を強いられるのか?その時も国債を発行?」という質問です。この点について、正面から既述していなかったので詳述致します。 国債の発行は、『財務省の罠』第三章3で述べたように、国民の資産を増やします。現在のように不況ゆえに金融緩和を行っている状態では、金利も上がらないのでクラウディングアウト(民間投…

なぜ赤字国債を発行するのに特例公債法が必要なのか

…あり、そのために赤字国債を発行する必要があります。平成24年度は秋になっても赤字国債発行の根拠となる特例公債法案(赤字国債発行法案)が成立していなかったため、野田政権は予算の執行を停止するという強硬手段に出たわけです。読者の皆様の中には、「そもそも、なぜ、毎年毎年、赤字国債発行法案を審議することが問題になるのだろう」と思っていらっしゃる方も居られるでしょう。本章では、根拠法になっている「財政法4条」について説明を致します。 自公政権時代から、実は、毎年毎年、赤字国債発行法案は…

国債の発行は「戦前財政への回帰」にはならない

…御覧になった方から、国債の発行について戦前の財政と比べた指摘をいただきました。つまり、国内で国債が消化されていることは戦前戦中も同じであり、国債を発行し続けると戦後のように大変なインフレになるのではないかという御懸念です。戦後すぐは、預金封鎖など通貨供給量を減らす政策が数多く採られました。背景には、旺盛な需要があったのですが、通貨を減らさなければ過度なインフレを止められなかったのです。 この論点については、(1)通貨のルールがその頃と大きく違っていて経常黒字を垂れ流せる構造に…

[質問への回答]日本は経常黒字国の力を活用すべき

… 外貨建ての預金や外国債を持っていれば、その外貨を使って外国からの輸入に備えることができるのは、対外純資産国のメリットです。しかし、物理的な財やサービスを輸入しなければ、現実の生活にはプラスになりません。外貨建ての通貨は、その経済圏で回っているだけです。その通貨が強制的に通用する経済圏でのみ、その通貨は活躍できるわけです。日本居住者が外貨建ての通貨や資産を持っていても、それは、その外貨経済圏の配当を受ける権利を持っているに過ぎず、直接は日本居住者の生活を豊かにするわけではあり…

財務省幹部著書に見る「財務省の罠」

…債から国家財政や日本国債の信用を見るという視点を持っていませんでした。「財務省の優秀な官僚が書いた本なんだから間違いはないだろう」という気持ちで記述を完全に信じ込んで読んでいたことを思い出します。当時は、私が国家財政について講演をする際にも、財務省が発行している日本の財政について書いたパンフレットを使っていたぐらいです。 平成24年(2012年)に入って、与党内での「社会保障と税の一体改革」関連法案閣議決定までの議論や、7月〜8月の参議院「社会保障と税の一体改革に関する特別委…

日銀金融政策決定会合と前原誠司経済財政担当大臣

…家計にするか、(2)国債を政府から購入するか、2つしか方法はありません。それ以上のお金は、金融市場に流れてマネーゲームに使われます(又は、外国への投資に利用されます)。 だから、政府が先ずすべきことは、国債を発行して、銀行からお金を吸い上げて、民間へお金を回すことです。(ただ、この使い道は、地方分権を徹底するなど、利権につながらないようにすべきではあります。)政府がこのように民間にお金を流す政策を取っても、景気が良くならず(デフレで留まり)、かつ、(金融緩和が十分でないので=…

国債の格付けと実際の信用度

…駆け巡った場合、日本国債の格付けが下げられ、その目減りした利息だけで100兆円規模になると聞きました。大丈夫ですか?」という御質問をいただきました。 結論から申し上げると、日本国債の暴落はありえません。(また、日本国債の暴落をする時には金利が高くなるので「利息」が「目減り」することはないでしょう。)日本国債の信用が、格付け会社の格付けとは全く関係なかったことは今までの歴史が証明しています。日本国債の格付けというのは格付け会社の勝手格付けであり、取り引きには影響を与えません。格…

消費税の話って終わった話ですか?

…預金を使って政府から国債を買っている、 っていうことなんでしょう。 それはそうとして、銀行が、 国民から預かったお金をそのままで持っていても金利はゼロだし、 日本銀行に預けて当座預金の口座に入れておいても金利はゼロだし、 銀行は、どこかに貸したいと思っているんじゃないの? 銀行がお金を手元に余らせている時、 ちょっとでも金利をつけてくれる、そしてきちんと返してくれるところに、 お金を貸すんじゃないの? 本当に、他にはどこにも貸せないという時、 銀行が政府にお金を貸さないなんて…

日本銀行の追加緩和と住宅ローン債権

…BSを買うのに日銀は国債を買うのかについて解説を致します。(この点は、9月18日にツイッターで述べたので、以下の記述はツイートの加筆です。) 先週、米国中央銀行がMBS(住宅ローン証券化商品)を買い取ると発表しました。額は毎週400億ドルとのこと。私は「すごいことを思い切ってするなあ」と思いました。これで住宅金融(住宅ローン証券)については銀行のバランスシートから切り離されるので、更に住宅ローンが活発化(貸し出しの促進)→住宅投資が促進→景気回復という形で進みそうです。今回、…

若者に仕事を。(お年寄りに安心を。)

…ているマネーを融資か国債の発行により市中に引き出さなくてはなりません。しかし、融資は現在の経済状況が悪いためになかなかなされません。だから、短期的な政策としては、国債の発行しかデフレ脱却のための有効な手段は見当たらないわけです。 それでは、どの分野に公的支出を振り向けるべきなのでしょうか。それは、「人への投資」とエネルギーの分野です。民間投資の足りない部分を公的投資でまかなうことで、社会全体が必要な投資を満たすことができます。 大学生が借金をして大学に行く場合、社会人になった…

敗戦記念日を前に考える>クルーグマン教授と孫崎享先生

…官民挙げて不用意に米国債を売りません。」「日米の貿易不均衡を解消するためには、(TPPよりもむしろ)積極的に日本国民が米国商品を消費できるように日本経済の再生をしなくてはならないため、日本も財政拡張政策を取ります」「そのためには、日本国債も暴落をしないように、万が一の時にはアメリカ政府も御協力下さい。」 大量の国債を発行する時、アメリカも日本も財政当局者(財務省)はとても不安になります。「一時的に売られたらどうしよう」ということです。これは、日本よりも、経常収支の赤字国、対外…

国債を発行すると相当額の預金が増えるのはなぜか

…策としては、積極的に国債を発行するしかないと主張しています。これに対して、「国債を発行し続けると預金がそれほど増えていないので、いつかは限界が来る」と批判なさる方がいらっしゃいます。今日の「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」での安住財相の答弁も上の理解の下で、私に反論をされました。(追記2012/08/07 未定稿が上がってきましたので、下のページに載せました。追記2 2020/11/20なぜか未定稿が消えているようです。確定稿を載せます。) https://kokk…

政府紙幣を発行するぐらいのであれば正面から国債を発行すればいい理由

…だから、今はこれ以上国債を発行できない。だから「政府紙幣」を発行して、国にお金をばらまけばいい」とおっしゃる人がいます。私も、現時点の経済状況を見れば、現時点で取るべき経済政策は、財政規模を大きくする政策(積極財政)と考えていますので、そのお気持ちは分かります。(その際、きちんと断っておく必要があるのは、積極財政→公共投資を増やすということではありますが、従来型の土木事業一辺倒であっては、意味がないわけです。次の世代が必要としている、再生可能エネルギー(大規模長寿命蓄電池を含…

「高齢化が進むと国債が暴落する」は本当か?

「高齢化が進むと国債を売って得たお金で消費に回るので国債が暴落する」という御意見をいただきます。消費が拡大すれば経済成長の範囲で緩やかに金利が上がるのは当たり前のことです。それを暴落とは言いません。現実は、将来不安などから高齢者の消費は進まず、亡くなる時に一番資産があるという傾向が出てしまっているのが、悲しいところです。ただ、仮に御意見のような仮定を置いた場合に、どのようになるのかという論理的な検証も必要だという気持ちも理解できます。今回の記事では、その点を検証いたしましょう…

「日本国債暴落論」は間違っている(岩本沙弓)

…けです。 さて、日本国債がどれだけ信用度が高いかについて、私が一方的に説明しても「どうせ政治家が説明しているから胡散臭い」と言われるでしょう。だから、実際に現場で債券のトレーデングをされてこられた岩本沙弓さんの近著「最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由」を御紹介いたします。第7章「「日本国債暴落論」は間違っている」を読んでいただくと、今言われている「日本国債暴落論」が、本を売るためであったり、ヘッジファンドが一般投資家を騙して儲けようとしているためであったりす…

これから始まる日本と世界の変化。今日は「お金」の話

…た。それゆえ、ドルが国債基軸通貨として扱われました。しかし、私が推測するに、特に日本がアメリカに対する黒字を減らさないでいたために、困ったアメリカは何とかして調整をしないといけなくなったので、アメリカはドルと金の交換を停止するという判断をするに到りました。この辺りのことについては、詳しく過去にも書いたと思うので、割愛します。大事なことは、「世界の通貨が、今の通貨ルールになって、まだ40年しか経っていない」という事実です。 1971年から始まった通貨の新秩序は、「不換紙幣」、つ…

政府通貨論について

…政府通貨を発行すれば国債を発行しなくても通貨の流通量が増える」という御指摘をいただきます。この議論については一見良さそうに思えますが、私としては全く理解できない要素があるので、一応まとめておこうと思います。 まず、「政府に紙幣の発行権はないけれども貨幣の発行権はあるので、一兆円金貨などを作って40枚発行すればいい」とおっしゃるような方がいらっしゃいます。しかし、この立場の方に対しては「それならば、一兆円金貨はそのままでは流通できないため、どのような通貨に両替するのでしょうか」…

2大臣の問責に思う

…際収支を見たら日本が国債を発行できなくなるはずはないのに。人の命よりも国の財政の数字が優先されているように感じます。この違和感は、今日の問責にも、問責後の民主幹部の発言にも、同様に感じました。進まない福島の復興。にもかかわらず進められる原発の再稼働。本当に代替エネルギーではできないのか。国費を使って蓄電池の開発はできないのか。財源としての国債は本当に発行できないのか。今、政治がやるべきことは、問責でも消費増税でもなく、この国の未来を明確に示すことのはずなのに。国民の皆様の思い…

財政再建で必要な増税は「消費税」が適切なのか

…ことから、当面は赤字国債を財源とすべきである。 3.「対象者の範囲」に対して「住民税世帯非課税」を基準にすることについて給付付き税額控除の対象を一定の年収以下に限るという暗黙の合意があるかのような前提の下、政府の説明では「住民税世帯非課税」を基準にして対象者を絞ることが既定方針かのように扱われていると感じられる(中村の個人的感想)。しかし、これでは、20代・30代の若者世代の単身世帯では、都市部で100万円、地方部で93万円の年収があれば、対象から除外されてしまう。(第3回W…

閣議決定された消費税増税法案の論点(第1稿)

…加えて今年度の「給付国債」を20年間で均等に償還する(5)年金法の改正の問題点があります。以上の5点が、私が3月28日の政調役員会(第49回)で「政調会長に一任はできません」と申し上げた際に伝えた理由でした。この他にも、「本当に日本がギリシャ化するのか」という国債の信認の論点などがあります。これら、法案のベースとなる事実認識の議論については、この原稿とは稿を分けて別途書きたいと思います。以下、上で述べた5点の論点について、詳細を記述して参ります。 1.「逆進性」対策消費税の引…

TPPって何が問題?

…資してもらわなくては国債を発行できません。そのうちに、いきづまります。今のヨーロッパの「ソブリンリスク」というのは、まさに、いきづまってきて、金融危機の一歩手前にきているということです。 「アメリカやヨーロッパが買えなくなったら、どうなるの?」と思われるでしょう。途上国は、先進国が買ってくれなくなったら、自分のところの国民が買うしかないのですが、十分に賃金が上がっていないので、先進国に買ってもらっていたような製品は買えないわけです。途上国(新興国)は、先進国に買ってもらって(…

再生可能エネルギー 〜 実際に起こっている弊害

…、そのドルでアメリカ国債を買い、アメリカの財政を支えるという方法だからです。財政出動は、日本国債を発行して国民から円貨を調達し、日本の財政で国内で使うという方法です。後者の方法で資金を調達して、日本の持っている技術を使って世界に先駆けた商品を作ることは、国家的な利益に適います。日本は自国の通貨が強く、かつ、対外純資産の額も世界一多い国です。そんな国でなければ、世界中がデフレにあえぐ中、財政の赤字を出して自国経済を発展させるというようなことはできません。グローバル競争の中で日本…

あるべきエネルギー戦略とは何か

…で解決できる。資本は国債の発行でまかなう。」と答えました。質問者からは「ありがとうございます。支援組織等との関係も踏まえれば実現には険しい道のりがありそうですが。期待しております。」と返していただきました。私は「現実的にはそれ以外の方法はないだけだと思います。」と答えました。 質問者は、私が電力総連(電力会社の労働組合)から支援されているために、「現実的には原発の新設は無理」と書いたことを心配されたのだと思います。ただ、私が感覚的に思うのは、現場で働く労組の組合員の皆様自身が…

原発のストレステスト

…ロジェクトとして赤字国債を財源にして積極的にやるべきです。しかしタイムラグがあるので原子力も必要(使える程度で使えるべき)。ゆえにストレステストを実施して原発の再稼働を行う、という折衷案的スタンスになります。原発のストレステストで重要なことは国際的なピアレビュー(相互審査)の体制を作ることです。日本の技術が国際的な立場から見てどのような評価を受けるのか、評価する人材も海外の人材が行うべきです。資料の英訳等で事業者の負担は増えるでしょうが、手続きも国際的に通用するものでなければ…

定置型大規模蓄電システム 〜 再生可能エネルギー普及の鍵

…替占領」を紹介いたしましたが、その本意は、日本は財政危機でも何でもなく、将来への投資のために今は財政出動をすべきということを申し上げたかったからです。こういう技術は、国家こそ戦略的に「国家ファンド」を使って投資すべき案件です。資金調達は、赤字国債を使って行う。エネルギーの自給ができれば、日本という国は怖いものがなくなるのですから、国家の安全保障という意味でも重要です。国家の全体像を考えれば、当たり前の「投資」だと思うのですが、経済界からの投資が入らないのはなぜなのでしょうね。

岩本沙弓「為替占領」

…急速に進む円高は「米国債のデフォルトへのカウントダウンではないか」という恐怖を持って事態の推移を見ていますが、そのような「背筋も凍る話」を極暑の今夏だからこそ、皆様に伝えましょう。あの岩本沙弓さんの新しい著書が出ました。タイトルは「為替占領」。為替占領 もうひとつの8.15 変動相場制に仕掛らけれたシステム作者: 岩本沙弓出版社/メーカー: ヒカルランド発売日: 2011/07/12メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 12回この商品を含むブログ (2件) を見るアマゾ…

東電の賠償スキーム決まる

…機構への援助は「交付国債」によってなされる。交付国債のメリットは償還の際まで国の「支出」(歳出)とならないこと。財政に対する負担も交付国債の金利分のみとなり全体として軽減される。私個人としては、なぜ現在も東電が公開(上場)されているのか不思議だが、現実には今も上場されている。政府は株価も考慮したのかもしれない。ただ私の印象では今後じわじわと株主責任を問われる状況になっていく。あくまでも私個人の考えだから投資は皆さんの個人の責任で行って欲しい。今回の決定スキームは現時点で論者に…

「震災復興税」のおかしさ

…い。菅総理は増発する国債の発行を容認し、償還財源として2〜3年の時限措置としての1〜3%の消費税増税を検討しているという。(朝日新聞1面による) 私は、この「震災復興税」には反対。今は、毅然と財政出動(国債の増発)をすべきだ。先に増税をするのではなく、マニフェストで国民に約束した「人への投資」を先行すべき。将来の社会保障のことを考えても、「助け合いの社会」を作っていくためには、財政の規模を大きくすべき。そして、経済指標が好転して増税に耐えられるような状態になった時に増税するこ…

震災復興財源をどのように調達すべきか

…出た。「100兆円の国債を発行して、それを日銀が直接に引き受けたらいい」という意見まで出た。 私は日銀の直接引き受けには反対しているが、そのような直接的な方法でなくても国債は消化できると考えているから。直接引き受けでは、日銀が政府から直接に国債を買うので、市場メカニズムが働かなくなりかねず、市場の信頼を一挙に失うリスクがある。実際のところ、現状は、直接引き受けに近い状態になっている。銀行はこのところ、融資は減り続け、その分、国債を購入している。また、日銀は金融緩和で銀行に資金…

3・15株価暴落についての分析

…当に悪くなると予想されるのだったら円は安くなり、国債も売られ長期金利が高くなるはず。長期金利が下がっているのは、株を売って債券が買われているということ。今始まったNY取引所で株が下がっているのも同様の動きが起こっているからと分析できる。 私の分析がどのように受け止められるのかは分からない。「明日も株式市場は暴落だ」と言う人も居るが、私の分析が正しければ、この暴落は一次的なものであり、中長期的には必ず回復するということになる。読者の皆様には、御意見を賜りたい。m@tezj.jp